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やさしく数学を
第4回 1.記号Σ(シグマ)について
2.Q&A(受験数学と本メルマガ)
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いよいよ年末ですね。
2001年ももう残りわずかです。
寒くなり、各地で雪の知らせを聞くことも多くなりました。
受験生の方は、受験も間近です。
ありきたりになりますが、健康には是非気をつけてください。
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1.記号Σ(シグマ)について
●はじめに●
数列を考えるうえで、和と言う概念は重要となる。
世の中の現象の統計を取るときには、平均値や合計値など欲しくなるものであり、
それには和という概念が必須になる。
ちなみに、蛇足かもしれないが「和」とは単なる「足し算」の事だと思って下さい。
なお、今回の内容内の数式が見づらいと感じた方は下記html版ページ
http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/math4.htm
だと多少は見やすくなってます。
●和の記号Σ(シグマ)●
下記のような初項が1、公差が1の等差数列aがあったとする。
(そろそろ慣れてきたでしょうか?)
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、・・・・・
ここで、これらは
a_1=1、a_2=2、a_3=3、a_4=4、a_5=5、a_6=6
a_7=7、a_8=8、a_9=9、a_10=10、a_11=11、a_12=12、・・・・
の意味だったことは思い出していただきたい。
("a_1"とはaの右下に小さく付く添え字と理解してください)
ここで、初項から5番目まで足し算してみよう。
1+2+3+4+5=15
このくらいだったら、全部書いてもたいした苦ではない。
しかし、初項から100番目足し算したい場合はどうだろうか??
1+2+3+4+5+・・・・・・・+98+99+100=???
足し算するのも、足し算を書くもの億劫になる。
ここで、和の記号と言うものが欲しくなる。
それがΣ(シグマ)である。
ここで、注意したいことは
「Σというのはまったく難しい概念ではなく、単なる足し算を書き換えたもの」
と言うことである。
足し算を決めるためには下記の要素が必要となることにまず注意する。
・ 足し算の対象の数列
・ 何番目から足し始めるか?
・ 何番目まで足すのか?
これが決まれば、足し算の式は決定する。
したがって、Σにもこれらの要素が含めらる。
具体的には、例えば、数列は冒頭のa、1番目から5番目までを足す
1+2+3+4+5
=a_1 + a_2 + a_3 + a_4 +a_5
5
= Σ a_k
k=1
最後のΣの部分の意味は、Σの下についている数字が、
「何番目から足し始めるか?」
を意味し、上についてる数字が、
「何番目まで足すのか?」
を表す。
ちょっと、難しいかもしれない。
要するに、
5
Σ a_k
k=1
これを見たら、最初はk=1(1番目の数字)から始め、数列のa_kにk=1を代入し
a_1
が出てくる。
次に、k=2(2番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=2を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2
次に、k=3(3番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=3を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3
次に、k=4(4番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=4を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3+a_4
次に、k=5(5番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=5を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3+a_4+a_5
以上で終着駅のk=5まで達したので以上で終了となる。
Σと言うのは、このように、足し算を簡単に表すためにある。
より一般的に1番目からn番目まで足し算する場合は、下記のように表される。
n
Σ a_k
k=1
また、5番目からn番目足したい場合は、
n
Σ a_k
k=5
と書くこともできる。
★今回のポイント★
Σの意味をきちんと理解しよう。
特に「Σの上下につく数字」と、
「Σで表現された式を足し算に書き換える行為」
は重要である。
●確認問題●
下記のような初項が1、公差が1の等差数列aがあったとする。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、・・・・・
(1) 1番目から100番目を足す式をΣを用いて表せ。
(2) 10番目から60番目を足す式をΣを用いて表せ。
★注意★
これが分からない場合は今回の話が分かってない可能性が高いので
もう一度読み直すか、掲示板・メールで質問してください。
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2.Q&A
読者の方からこんな質問を頂きました。
「数学の入試問題でとき方とかおしえていただけるのでしょうか。」
現在は、内容も優しすぎると感じて、もしかしたら受験生の中には
「こんなことやっても受験にはなんも役には立たない」
とか考えてる方もいるかもしれない。
確かに発行ペースが遅いので、このメルマガだけで受験勉強には
ならないかもしれません。
しかし、受験勉強に対する姿勢としては、間違ってるとは思いません。
根本からきちっとした土台を築くことはとても大切です。
一見、優しすぎて受験には役に立たないと思うのでしょうが、
数学の受験問題は、基礎的なことを積み重ねることで突然解けるように
なったりします。
結局はやさしい物の集まりの「部品が足りなくて」、難しく感じるだけなのです。