木曜日, 2月 19, 2015

やさしく数学をー目次

このブログは、2003年から2004年にかけてまぐまぐに連載していてたものをこちらに
まとめて再掲載したものです。

もしも、要望があれば近日中になんか書き始めるかもしれません。
なにかリクエストなどありましたらコメントかtwitterでメッセージいただければと思います。

https://twitter.com/takes90

土曜日, 11月 04, 2006

第15回 :論理と集合

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やさしく数学を
第15回 1.論理と集合
2.NEWS Pick UP
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皆様、こんにちは。
ご無沙汰しております。

私事でいろいろありました関係で、このメルマガを楽しみにして頂いていた
皆様には、発行に間があいてしまった事をお詫びいたします。

久々ということもあり、今回よりテーマも新たにまた頑張っていこうと
思いますので応援のほどよろしくお願いいたします。

今回選んだテーマは「論理・集合」です。
まぁ、世間では最近「論理的に物事を考える力が弱くなっている」
と言われてるのも書こうと思った要因ですし、また、社会人として
誰もが必要な能力であると考えたからです。

この、論理能力は、
・プレゼンテーション能力
・コミュニケーション能力
・分析力
・企画・設計能力
の基盤ともなるとも言われています。

例えば、コミュニケーション能力で最近よく聞くMECE(Mutually Exclusive,
Collectly Exhaustive)では、
漏れなくダブり無く事象を分類する事によって、相手に話を分かりやすく
伝えようという手法があります。
ここら辺は、集合論的な話も少し関連すると思います。
#集合論とは、簡単に言えばそのままですが
#「グルーピング」に関する物です。
#例えば、整数を、偶数・奇数に分類して、そいつらの性質を考えていく
#という感じでしょうか。

また、応援のお便りやメルマガに対するリクエスト等は随時歓迎いたしております
ので遠慮せずに送って下さい。

皆様からのお便りをいただければ、こちらもメールマガジンを発行する
士気が高まりますので。



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1.論理と集合 ~導入編~

論理と聞いて皆さんはどんなイメージをもたれるだろうか??
きっと、「難しい」とか「堅苦しい」とか悪いイメージをもたれてる
方も多いことであろう。

論理とは、簡単に言えば
「ある条件から結論を出す」
ということである。

例えば、下記の条件(状況と言っても良い)があったとする。

・あのパソコンは20万円で販売している
・私は今、貯金が10万円ある。
・両親は、5万円までなら貸すと言っている。
・現在のアルバイトの給料は、月に5万円もらっている。

「あのパソコン」が欲しい私は、上記条件から下記結論が導かれる。

・両親からお金を借りて、かつ、バイト代を無駄使いせずに
貯金すれば、パソコンを購入することが出来る。

この、結論が「正しい」か「正しくない」かを証明するのに論理というのが
用いられる。

インターネットの世界でも、例えば、ネット販売業者などが信用できるのか
出来ないのか、また、そこに書いてある事は、本当にその信用できる人が
書いたものなのか、或いは、悪意ある人によって成りすまされているのか
というのを判定するのにも、論理というのは利用される。

そもそも、論理というのは数学では一番の基盤にあたる部分といってもいい。
それくらい大切なものです。

また、人生において賢く、そして計画的に生きるためにも必要不可欠なものでは
無いでしょうか。




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2.本 PickUp
今回は、本を紹介してみましょう。
●「ボクは算数しか出来なかった」小平邦彦著
岩波現代文庫 800円
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/6/6030600.html

いわゆる自伝書です。小平先生は、数学会の中では、ものすごい有名
であり、おそらく名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
私の学生時代も"小平"という名前の入った定理は何度も目にしたものでした。

●あみだのゴールなぜ重ならない?母親ネット数学談議出版
http://www.asahi.com/tech/asahinews/K2002062200548.html

-本に関して
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/Scripts/bookclub/intro/intro.idc?id=30573
-ムギ畑(ここでいろいろ議論されていた模様)
http://www.mugi.com/

私は、この記事を読むまでこのサイトの存在は知りませんでした。
#主婦の場なんで知ってても入りにくいですけど…

このように、ああだこうだと考えてる人がいるというのは、非常に
いい事だと思います。

第14回:おしらせと連立方程式について

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やさしく数学を
第14回 1.メーリングリスト解説のお知らせ。
2.数学関連ホームページご紹介
3.リンク募集
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皆様、こんにちは。
今回は、おしらせ+「連立方程式」についてです。


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1.メーリングリスト開設のお知らせ。

この度、メールマガジンとは別に新たにメーリングリストを
作成しました。

#メーリングリストとは?
#一言でいえば、閉じたグループの中でメールの交換をするのに
#便利なシステムと言えばよろしいでしょうか??

私としては、前回発行したメルマガのようなリアルタイムなニュース的な話題の
提供の場、そして、最近の教育について語れるような議論の場にもしたいと考えて
おります。
理系離れについてとか、学力低下とか週休2日制問題とか、家庭教育と学校教育等々
なんかで盛り上がれればいいかなと思っております。

もちろん、数学をこういう風に教えればいいのにというような観点の
議論も出てくればいいかなとも思ってます。

もちろん、入会・脱会は自由です。(もちろん参加費も無料です)

まだ、手探り状態ですので皆さんでこのメーリングリストを形にできれば
いいかなと思ってます。皆様のご参加をお待ちしております。

また、もっと気楽に読者さん同士でもっと気楽にコミュニケーションを
取れる場にもしたいと思っておりますので、皆様の参加をお待ちしております。

★参加方法
下記のようにメールを送信して下さい。

宛先:majordomo@ml.246.ne.jp
件名:未記入
本文:subscribe ml-math

無事登録が完了すると下記のようなメールが送信されます。

> --
>
> Welcome to the ml-math mailing list!
>
> Please save this message for future reference. Thank you.
>
> If you ever want to remove yourself from this mailing list,
> you can send mail to with the following
> command in the body of your email message:
~以下略

もしも登録アドレスを指定したい場合(無指定の場合は送信アドレスが登録)

宛先:majordomo@ml.246.ne.jp
件名:未記入
本文:subscribe ml-math takes@02.246.ne.jp

のように送信して下さい。

脱会は上記本文の
subscribe を unsubscribe に変えればOKです。

また、一般的な注意事項として本メーリングリスト投稿時には、普通のメールと
同じように自分のメールアドレスが参加者全員に知られることになります。

参加者内に悪意ある人がいないことは信じておりますが、
慎重を期したい場合は、フリーメール等のアドレスを使用するのも
いいかと思います。

登録方法が分からない場合は、私まで直接メールくだされば
直接私のほうで登録いたします。

また、本メーリングリストはイッツコミュニケーションズ(旧246ネット)
のものを使用しております。詳細は下記にも説明があります

http://home.246.ne.jp/support/list/mlcmd.html

{magclick}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2.ホームページ紹介

このメールマガジンの読者のある中学の先生からメールを頂きました。
今回は、そのホームページを紹介します。

教室の授業を会話形式で行っております。
比較的、初心者向けに書いております。
中学生の授業を思い出してみたいという方は、遊びに行って見て下さい。

●中学校の私の数学
http://www5d.biglobe.ne.jp/~mathu33/

これだけで、終わるのもなんなのでちょっとコメントを追加しましょう。
上記ホームページの「連立方程式」に、下記のような問題があります。

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Aさんがノート2冊と鉛筆5本買ったら640円でした。
Bさんは同じノートと鉛筆を3冊と4本買ったら680円でした。
さあ、ノート1冊と鉛筆1本の値段はいくらでしょう。
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数学の感性で何が大切か?数学を通じて何を学んで欲しいのか?
といえば、その中の一つに

・与えられた情報を膨らませることができる能力を養う

というのがあります。
これは、

・言われたこと以上の事、指示された以上の事を行動する能力を養う

とも言い換えることができるでしょう。

言われたことだけをやるのならロボットだってできます。
人間が仕事をするということは、このロボットではできない「能力」に
魅力があるのです。

話戻って、

「ノート2冊と鉛筆5本買ったら640円になりました」

という情報から例えばどういう情報が得られるでしょうか。

ノート2冊と鉛筆5本買い、その後、すぐにもう一度
ノート2冊と鉛筆5本買った場合らどういう事象が起こるかというと

「ノート4冊と鉛筆10本買ったら1280円になりました」

となる。これは上記情報から派生して出てきた、新しく分かったことです。

さらに、またノート2冊と鉛筆5本買った場合は、

「ノート6冊と鉛筆15本買ったら1920円になりました」

となる。

また、もうひとつの情報

「ノート3冊と鉛筆4本買ったら680円になりました」

ということから、同様に

「ノート6冊と鉛筆8本買ったら1360円になりました」

ということも分かるだろう。

次に、いままで導き出した条件を2つ並べてみる。

「ノート6冊と鉛筆15本買ったら1920円になりました」
「ノート6冊と鉛筆8本買ったら1360円になりました」

今度は、

ノート6冊と鉛筆15本買った後に、
ノート6冊と鉛筆8本を返品したらどんな状況になるんだろう??
と考えてみる。

すると、手元には鉛筆が7本残って、560円使った事になる。
(1960円使って1360円戻ってきた状況に注意!)
つまり、

「鉛筆7本買ったら560円になりました」

ということが言えるわけですね。
ここから、1本あたりの単価が出せるわけで、

「鉛筆1本買ったら80円になりました」

ということが言えるわけです。

このように、数学では与えられた条件からいろいろ想像を広げていく
という行為が大切で、そういう訓練ができるのが数学なんですね。

また、上記で「ノートを6冊」にあわせた部分は、「最小公倍数」
という概念を利用している事には注意しておきましょう。
(これを知っていると鉛筆1本の値段を求めるときに近道が分かるように
なります)

ちなみに上の操作は、「連立方程式」と呼ばれる(中学生のときに習う)
ものですね。連立方程式という言葉だけに惑わされ、難しいとか思わずに、
これは実に簡単なものであるということは納得してもらいたいです。

これを読んだあとにででも上記で紹介したページ

●中学校の私の数学
http://www5d.biglobe.ne.jp/~mathu33/

で改めてもう一度、お勉強してみて下さい。

第13回:頭の体操の解答イメージ

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やさしく数学を
第13回 1.頭の体操のコーナーの解答
2.NEWS Pick UP
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# 本メールマガジンは「等幅フォント」でご覧下さい。
# そうでない場合はずれてしまう場合があります。
# OutlookExpressをご使用の方でずれてるなって思ったら、
# 上の「表示」→「文字のサイズ」→「等幅」でなおります。

皆様、こんにちは。

またまた、前回より、間が空いてしまってすいません。
今後もしばらくはこんな発行周期になってしまうと思います。
気長にじっくり数学を理解したいという人は購読を続けてくれると
嬉しいです。

さて、この連休を利用してホームページの方を改装してみました。
デザイン等、ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。
http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/

また、ちょっと遊び心も交えて、ホームページ上に
ペットを飼ってみました。
ホームページ訪問の際は、お暇なら是非こいつと遊んでやって下さい。
現在、ゲームは「オセロ」「ボーリング」「エアホッケー」の
3種類あります。
簡単な話し相手にもなってくれます。

なお、本サービスはソネットの提供する「Harbot」というのを利用してます。
http://www.so-net.ne.jp/harbot/

話し変わって、今回、検索サイトGoogleで
http://www.google.co.jp/

キーワードに「やさしく数学を」と入れてみたところ、
なかなかいろいろHitしました。
こんな所でも紹介されてたんだと思ったのもあり、うれしい気分です。

今後も、マイペースでの発行ですがよろしくお願いいたします。

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1.頭の体操のコーナーの解答

といっても大分前の話になってしまいました。
ということで、もう一度、問題を書いておきましょう。

●問題●
3次元の空間、すなわち我々が日常生活住んでる空間を考える。
ある1点を決定して、そこから線分を引くことを考える。

2つの「線分」を取り出したときに、そのなす角がすべて90度を
超えるようにしたい。

この条件を満足するような線分は最大何本引けることが可能となる
でしょうか?
●問題ここまで●

この問題を、初めてご覧になる方は下記の解答を見る前に今一度、
自分で考えてみて下さい。


ここでは、2次元の場合で直感的な解法により解答する。
より、理論的な解法は、ベクトルや内積を用いた形で
解答できる。
ここら辺の知識をお持ちの方はチャレンジしていただきたい。
(また、本メルマガは、数列の講座が終了してからはベクトルを扱う予定でいるので
それが終わったあとにまたここに戻って解答するのもいいかもしれない。)

まず、下記のように線分を一つひいてみる。
(最初の線分は、どこに引いても回転させる事によって
下記の形に帰着できることに注意する)


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このように引くと、2本目の線を引ける領域というのは、
下記斜線部("//")部分になる

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///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////

ここで、なるべく多く「線分」を引きたいのであった。
これは、上記図では斜線部分を多く残したいという意味になることは
ご理解いただけるであろうか??

という理由により、2本目の「線分」は下記図の"*"と"*"を結ぶ線分を
イメージしていただきたい。
(テキストベースでは実際に線は引けないのでこれは苦肉の策である)

ここで強調することは、なるべく、斜線の地平線に当たる部分に近いところに
引きたいのである。


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/////////////*
///////////// *
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////
///////////////////////////

すると、3本目が引ける領域というのは、
1本目の線分とも2本目の線分ともなす角度が90以上ということから
下記の斜線部("//")部分になる
(ここで、斜線部分("//")の境界と*同士を結ぶ線分は垂直に交わるイメージである)

|
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|
/////////////*
//////////// *
///////////
//////////
/////////
////////
///////

上記図斜線("//")部分に線分を引くと、斜線("//")部分のなす角度が
90度以下であることから何処に引いてもこれ以上は引けないことになる。

したがって、3本目の線分を"#"と"#"で結ぶものとすると
下記の図のようになり、

|
|
|
|
|
|
#
*


#

合計3本引けるということが分かる。

3次元の場合もイメージは全く同じように出来る。
この場合は、例えば、スイカの様な球体でイメージを膨らませると
いいかもしれません。

一つ線分を引いたら2本目には引けない部分を切り落とす事によって
何本の線分が引けるかはイメージできるでしょう。
(ちなみにこの方法は読者の方よりの提案です。ありがとうございます。)

【次号予告】等比数列の和、これで数列は最終回となる予定です。

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2.NEWS Pick UP
朝日新聞社に下記のようなニュースが流れていたので
皆様にもご紹介しておこう。

●中学生の数学力、「できる子」「できない子」に二極化
http://uu01.asahi.com/national/update/0502/017.html

これは、東京理科大学の澤田利夫教授(数学教育)のグループによる
調査結果報告書です。調査の結果、「できる子」「できない子」の「標準偏差」
(これは、確率などの分野で定義される散らばり具合を測る量)が大きくなる傾向
にあるそうです。

これは、教育法に問題があるのか?現代の子供たちの性格に問題があるのか??
分かりませんが、興味深いニュースです。

個人的には、現代人の考え方にありがちな「好きな事をやらせればいい」
とか「子供にはやりたい事をやらせたい」とかいう風潮に原因があるんだろうな
と思ってます。

興味のある方は、上記URLにて記事をご確認下さい。

第12回:等比数列の和

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やさしく数学を
第11回 1.等比数列の和について
2.頭の体操のコーナーの解答(予告)
3.おまけ~校則は何のためにある?~
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皆様、こんにちは。

前回より、間が空いてしまってすいません。
個人的にいろいろ私も勉強しようかなーとか思いながら、
英会話とか、XMLとかJAVAの勉強(←コンピュータ関連分野です)
をしてたらメルマガ書く時間が、なくなってしまいました。

なるべく、発行しますんで、長い目で、そして、温かい目で
応援よろしくお願いいたします。

また、シャイン☆さんのメールマガジン
で、このメールマガジンをよく取り上げてもらってます。
どうもありがとうございます。>シャイン☆さま

#4月1日(月)にシャインさんのメールマガジンが生まれ変わって新創刊します。
#以前購読して、難しすぎてやめちゃったとか言う人も、少し、やさしめに
#なるということですんで、もう一度購読してみてはいかがでしょう??
#ご興味のあるかたはこちらから登録できますのでどうぞ。
# http://yuki.to/math/index2.html


そこで、このメールマガジンは、前提知識として何を仮定してるか?
というコメントがありましたが、本メルマガでは下記の知識を仮定します。

四則演算が自由に出来ること
つまり、掛け算・足し算・割り算・引き算が自由に出来ること

これが、不自由だとこのメールマガジンは、辛いかもしれません。

今後も、基本的にこのポリシーでメールマガジンは書いて行こうかなと
思ってます。

かといって、私も説明が抜けてしまうこともあるかもしれません。
その時は、遠慮なくご質問下さい。

#誤字脱字等を見つけた場合、変な部分も遠慮なくご指摘下さい。
#皆様からのフィードバックをお待ちしております。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、等比数列の和。

前回、等比数列とはどういうものかを学んだ。
忘れてしまった方は、前回のメールマガジンを読み直すか、
下記、サイトにて復習してもらいたい。

http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/

初項(=初めの数)が1、公比が2の等差数列とは、
どういう数列であったかというと、下記のような数列であった。

1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,…………

つまり、次の数に進むときに、「公比」の2を掛け算していくような
数列であった。

今回は、この数列の和を求めてみる。

とりあえず、初めに、上記数列の10番目の和まで求めてみよう。

つまり、

1+2+4+8+16+32+64+128+256+512

を求めてみる。

等差数列のときもそうであったが、これくらいなら
全部まともに足し算しても、それほど大変ではない。

しかし、これが、100番目、1000番目となってはそうはいかない。

こういう、感覚的に理解しやすいうち(10個くらいの場合で)に、
何個あっても同じやり方で出来る方法の感覚をつかんでおくと
理解しやすいだろう。

1+2+4+8+16+32+64+128+256+512 (★)

この式を(★)と名前をつけることにする。

という式を公比の2を全体に掛け算してみよう。

すると、

2+4+8+16+32+64+128+256+512+1024 (★★)

という式が出来るのは、納得できるだろうか??
そして、この式を、(★★)と名付けることにする。

ここで、等比数列の特徴をもう一度しつこいようだが思い出してみよう。

等比数列というのは、隣り合う数の関係が「掛け算」で特徴づけられていた。
今、(★)から(★★)を出すときに、「2」という数字を掛け算した。
これには、どういう背景があるのかおわかりだろうか??

(★)の数列は

1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,

(★★)の数列は

2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024

となる。もっと分かりやすくするためにこれを並べてみてみよう。

1,2,4,8,16,32,64,128,256,512, (★) の数列
2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024 (★★)の数列

ここで(★★)の数列をわざとずらして書いてることに目をむけてもらいたい。

そう、(★)から(★★)の関係は、

(★)でいう2番目の数は (★★)でいう1番目の数
(★)でいう3番目の数は (★★)でいう2番目の数
(★)でいう4番目の数は (★★)でいう3番目の数
(★)でいう5番目の数は (★★)でいう4番目の数
(★)でいう6番目の数は (★★)でいう5番目の数

となっている。こういうテクニカカルな作業をする事によって、
下記のような利点が得られる。

ここで(★★)から(★)を引き算してみよう。

2+4+8+16+32+64+128+256+512+1024
-)1+2+4+8+16+32+64+128+256+512
-------------------------------------
-1+0+0+0+0 +0 +0 +0 + 0+ 0+1024
=1023

ここで、真ん中の部分の数が引き算をする事によって
打ち消されているということに注目をしていただきたい。
この「打ち消しあう」という事を作為的にやるために
「2」を掛け算したのである。

これで、なにが求まったのか冷静に考えると、

(求めたい数列の和)の2倍から(求めたい数列の和)を引いたものであった。
つまり、

2×(求めたい数列の和) - (求めたい数列の和)
=(求めたい数列の和)

一方
2×(求めたい数列の和) - (求めたい数列の和)
=(★★) - (★)

であったので、(求めたい数列の和)は、
上の引き算で求めた1023という結果になる。

以上をまとめて

(求めたい数列の和)=1+2+4+8+16+32+64+128+256+512
=1023

と求まるわけである。

この解答を理解していただけた方は、自分で他の等比数列を作って
いろいろと和を求めていただきたい。

理解できない方は、自分でペンを取りながら追って、
何回も繰り返し読んでいただきたい。

一度、きちんと理解したものはなかなか忘れにくいもんです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2.頭の体操のコーナーの解答(予告)

これは、前回解答しないと言ったのですが、やはり、解答は
少しはふれた方がいいと思ったので、直感的な解答を次号にて
行います。

また、次々号より、「ベクトル」の話に触れていき、ちゃんとした
解答のイメージももてるようにしていきたいと思います

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3、校則はなんのためにある?

発行当初の方に、語っていた持論シリーズを今回は、久々に
書いてみました。

私も、学生時代に、靴下の色とか、制服とか、髪型とかを校則で
定めることに何の意味があるんだろう??と考えていた。

先生達からは、
「団体行動をとるための和を作成すること」
とか
「集団生活をうまくやるために意味がある」
とか分かったような分からないような解答しか
返ってこない。

そんなところから、つい3~4年前まで、校則とは意味の無いものだと思っていた。

しかし、大学で教職をとったり、世の中のニュースを見ていると
最近の少年犯罪についての特徴と、校則が最近緩やかに
なっていることとなんらかの関係があるのではないかと
考えるようになっていった。

私の、「校則がなんの役に立つのか??」という疑問に対する結論は、

「嫌がる事を強制する部分に意味がある」

ということである。
つまり、これによって、「忍耐力」を養おうということなのである。

最近は、「若者がすぐキレる」という言われ方をするが、
この原因というのは単に
「今まで、そういうことを言われたことが無かったから」
ということなのではないだろうか??
そういう、我慢する経験や強制される経験が少ない
からではないだろうか??

人間、経験値を積むと「慣れ」というものが育まれ、適応力がつく。

例えば、一生懸命応援する野球チームが阪神タイガースと読売ジャイアンツ
とでは、全然ファンの性質が変わってくる。

阪神のファンは、最下位に慣れてしまったせいか、最下位でもそれほど
腹を立てることはないが、巨人が最下位になると、ファンの怒りは、
阪神のそれよりも激しいのではないだろうか??

同じ1敗でも、きっと感情のレベルが異なるのではないだろうか。

また、犬が縄張りを荒らされる時、激しく怒りを覚えたとして、
毎日、毎日、縄張りを侵していれば、そのうち、慣れて怒ることは
なくなるのではないだろうか??

人間も同じで、誰しもが最初は、
「他人に触れられたくない領域」
というものを持っている。

これを、他人に侵されていきその領域を狭めていくことが、
「大人になる」
ということなんではないかと私は考える。

繰り返しになるが、校則は、

「嫌がる事を強制させること」

に意味がある。実は、靴下の色はなんだってよくて、ポイントは
嫌がる事を強制させる。別の言い方をすれば、他人に触れられたくない領域を
侵していき、
「自分の縄張りの領域を狭める」
ということをするのが校則の役割なんだろう。

3/24の「KUMON子ども未来フォーラム」というのをインターネットライブ配信
でやっていた。
その人は、最近の理系離れの原因として「忍耐力のなさ」というのを原因に挙げていた。
確かに、それは一理あるのかもしれない。

親は、子供に
「掃除しなさい」とか
「洗濯物かたしなさい」とか
「お手伝いしなさい」
とかそういうしつけの一環としての強制は「忍耐力」を
鍛えるという役割もあるのかもしれない。

そして、忍耐力を鍛える事によって、「理系離れ」を
すこしはましな状態に出来るのかもしれない。

先生方や親御さんには、校則の意味というのを考え直してもらい
きちんとその意味を実現できるような教育をしてもらいたいな
なんて思っている。

今回は、意外と、関係ないと思われがちなことが、意外と関係あるかも知れない
というお話をしてみました。

第11回:等比数列

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やさしく数学を
第11回 1.等比数列について
2.前回の頭の体操のコーナーの解答
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皆様、こんにちは。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、等比数列とは?

等比数列という概念は実は、日常よく出てくる。
まず、銀行の利息や金融会社の利息はいずれも等比数列なのです。
(但し、利率は固定であると仮定していることに注意)

等比数列の概念を理解するということは、例えば、
借金する上での考慮の材料にもなるし、判断材料にも
なります。

また、ここらへんは、保険やさんが自動車事故の起こる確率を
つかって、保険金・掛け金を設定するという部分にも関連しています。
(ここらへんは確率の分野とも関係します。)

また、貯金の利子、資産管理をする上でのセンスの一つとして
用いられることも考えられます。

この等比数列というのは、日常生活と密着していて、よく出てくる
ものなんだなという認識を最初に持って話を聞いてください。

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|ここで、等差数列の理解はそれほど必要ではないが、等差数列を |
|忘れてしまった方や、途中からの読者の方々には、過去ログの |
| |
|http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/ |
| |
|を見ることをお勧めします。 |
------------------------------------------------------------------

数列という概念を簡単に振り返ると、それは、「単なる数の並び」であった。
そして、等差数列とは、その「並んだ数の隣り合う項の差が【一定の数】である」
ということであった。

例えば、

1,3,5,7,9,11、・・・・

というのは、「隣り合う項の差」が2の等差数列である。
(詳細は、過去ログで復習してください)

では、等比数列とはいったいどんな数列なのだろうか?

例えば、定期預金として

・利率は2%
・1年複利方式

という条件で100万円を預けたとしよう。

初年度は、元金のままなので 1,000,000円
2年目は、100万円に利息の2%が加算されるので1,020,000円
3年目は、2年目の金額に2%が加算されるので 1,040,400円
4年目は、3年目の金額に2%が加算されるので 1,061,208円
5年目は、4年目の金額に2%が加算されるので 1,082,432円
6年目は、5年目の金額に2%が加算されるので 1,104,080円
7年目は、6年目の金額に2%が加算されるので 1,126,162円
8年目は、7年目の金額に2%が加算されるので 1,148,685円
9年目は、8年目の金額に2%が加算されるので 1,171,659円
10年目は、9年目の金額に2%が加算されるので 1,195,092円

というような感じになる。
この金額の部分の数字を並べる事によって、それは数列になっている。
そして、実は、この数列の並びは等比数列になっている。

等差数列は、隣り合う数の【差】が一定だったのに対し、
等比数列は、隣り合う数の【比】が一定という説明になる。

【比】が一定であるというのを別の言葉で説明すれば、下記のようになる。

後の数
★2つの数が順番に並んでたときに、(後の数)÷(前の数) = ---------
前の数
というのを比と考えることが出来る。

上記例の場合の【比】は、一定の数、1.02=(利率)になってることも
確認してもらいたい。


★また、同じ事だが、こちらの方が理解しやすいかもしれない。

下記のように、数字を初年度のものから順番にずらりと並べる。

1,000,000円
↓ ×1.02
1,020,000円
↓ ×1.02
1,040,400円
↓ ×1.02
1,061,208円
↓ ×1.02
1,082,432円
↓ ×1.02
1,104,080円
↓ ×1.02
1,126,162円
↓ ×1.02
1,148,685円
↓ ×1.02
1,171,659円
↓ ×1.02
1,195,092円

というように、次の項に行く度に1.02を掛け算する。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★このように、次の数へと移り行く度に、ある一定の数を掛け算する★
★というような数列を等比数列というのである。 ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ここは、重要な概念であるので是非理解してもらいたい部分である

例として、最初の数が1で始まり、隣り合う数の比が2
であるような数列を考える。

それは、上記例と同じように、下記のような感じになるのも
理解していただけるであろうか。

1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024、・・・

より詳細に書くと、下記のような構造になっている。


↓ ×2

↓ ×2

↓ ×2

↓ ×2
16
↓ ×2
32
↓ ×2
64
↓ ×2
128
↓ ×2
256
↓ ×2
512
↓ ×2
1024

★★まとめとポイント★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★等比数列とは、隣り合う数の比が一定。つまり ★
★次の数に移る時に、「×(一定の数)」を繰り返し繰り返し ★
★行って出来るような数列のことである ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2、前回の頭の体操のコーナーの解答。

●問題●
3次元の空間、すなわち我々が日常生活住んでる空間を考える。
ある1点を決定して、そこから線分を引くことを考える。

2つの「線分」を取り出したときに、そのなす角がすべて90度を
超えるようにしたい。

この条件を満足するような線分は最大何本引けることが可能となる
でしょうか?
-------------------------

正解は、実は4本です。

というわけで、解けなかった方へもう一度問題です。

===============================
●問題●
3次元の空間、すなわち我々が日常生活住んでる空間を考える。
ある1点を決定して、そこから線分を引くことを考える。

2つの「線分」を取り出したときに、そのなす角がすべて90度を
超えるようにしたい。

この条件を満足するような線分は最大4本引けることが可能となる
が、この4本を実際に引いてみよ。
===============================

(ヒントは前々回のものを参考にして下さい)
なお、これ以上の解答はメールマガジン上ではしないつもりです。
(質問は個別には受け付けます。)
皆さんの想像力を生かして、解答をしてみて下さい。

第10回:日常の数学(曲率半径)

=======================================
やさしく数学を
第10回 1.前回の頭の体操のコーナーの補足
2.道路のカーブで出現する"200R"ってナニ?
=======================================

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# 上の「表示」→「文字のサイズ」→「等幅」でなおります。

皆様、こんにちは。

もう、早いもので通算10号になりました。
最近は、「書いたら読者数が少し減る」というのを気にしすぎて、
何がいけなかったんだろうと反省したりしていました。

そして、皆に受け入れられるメールマガジンをちょっと目指してました。

しかし、やはりメールマガジンという媒体は、どうしても
片一方方向になりがちで、やり取りの難しさというのも痛感しました。

また、誰かの望むものにしても、それは所詮は万人受けにはならないのも
また事実。

ちょっと、悩んだ挙句、今後のメールマガジンの方針は、やはり初心を
貫き、私が主体となってテーマと決めて解説するという趣旨の
メールマガジンにしていきたいと思います。

なお、今回は特別編として、ちょっと趣向を変えた号です。
次号より、再び話を数列の話題に戻して、等比数列を解説していきたいと
思います。
(それでも、皆さんのいろいろなご意見は随時お待ちしております。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、前回の頭の体操のコーナーの補足。

前回、下記のような問題を出しました。

●問題●
3次元の空間、すなわち我々が日常生活住んでる空間を考える。
ある1点を決定して、そこから線分を引くことを考える。

2つの「線分」を取り出したときに、そのなす角がすべて90度を
超えるようにしたい。

この条件を満足するような線分は最大何本引けることが可能となる
でしょうか?
-------------------------

ここで、読者の中に「線分」という言葉を誤解している方がいたので
今回は、「線分」「直線」「半直線」の違いについてちょっと触れておこう。

線分とは、「長さが限られている線」のことで、
直線とは、「限りなく伸び続ける線」のことで、
半直線とは「1点から限りなくのびている線」のことであります。

言い換えれば、
線分は、端が2つ存在し、
直線には、端というものが存在しない。
半直線は端が1つ存在する。


イメージ図を書けば、
↓線分
端→ --------- ←端


↓直線
(永遠に続く)←----------------------------------→(永遠に続く)


↓半直線
端→ ------------------------------------→(永遠に続く)

つまり、傘の骨とかは中心から線分が伸びてるというイメージといったら
分かってもらえるでしょうか?
(厳密には、真っ直ぐな線ではないですけど。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2、道路のカーブで出現する"200R"とかってナニ?

本日は、趣向を少し変え、普段よく見る標識で、意外と意味が知られてないもの
を解説しましょう。

車を運転したり、電車の線路とかでカーブのところで200Rとかいう表現を見たこと
あるでしょうか?
これがどういう意味なのか知ってる人って意外と少なかったりする。

Rとはradiusの頭文字で、日本語では「半径」という意味である。
道路標識でよくみる「○○R」という数字の部分は、難しい言葉でいえば
「曲率半径」という。

「曲率半径」という言葉自体は、高校では習わない。
しかし、数字自体は日常ではよく出てくる。

では、例えば200Rっていうのはどういう意味なのだろうか。

ここで、半径200mの円を思い浮かべていただきたい。

その、円の弧(つまり円の丸みと思ってください)の曲がり具合
と同じ曲がり具合のカーブであるということが200Rの意味なのです。

校庭のトラックの半円の半径を計れば、それは曲率半径ということになります。

半径が大きくなればなるほど、曲がり具合は緩やかになる
ということもご理解いただけるだろうか?

つまり、200Rと500Rのカーブでは500Rのカーブの方が
緩いわけである。
(イメージ湧かない人は、実際に半径5cmの円と10cmの円を
見比べて納得していただきたい。)

今度、道路を注意して見てもらいたい。
カーブのところには○○○Rという標識があって、

その度に、そこは、半径が○○○メートルの円と同じ曲がり具合なんだな
って感じてもらいたい。

こんな些細なことでも知ってるとなんか得するかもしれません。

今回はマメ知識をお送りしました。

ちなみに曲率半径の求め方っていうのは、数学科だと大学の2~3年生で
「微分幾何学」とかそこら辺で習います。
求め方の説明は、本メールマガジンのレベルをはるかに超えるので、
割愛いたします。

第9回:整数問題の解答法

=======================================
やさしく数学を
第9回 1.前回の問題を振り返って
2.前回の問題の解答例
3.頭の体操のコーナー
=======================================

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皆様、こんにちは。

私は、先々週の日曜日にTOEICの試験を受けてきました。
試験受けたのは、久々で2年振りくらいになりますかね。
TOEICである程度の点数が取れるようになったら、
「やさしく英語を」とかいうメールマガジンも
発行してみようかな。

そして、今週の連休はスキーへ行ってきました。
(私の世代はまだ、スノボではなくスキー世代なんですね。)

また、掲示板の方では、センター試験の質問とか頂いたりして、
ありがとうございました。
これらは、今後このメールマガジンで扱うかもしれません。

また、最近、読者が異様にふえたので私がどんな人なのか
知りたいという人は、最近あんま更新してない個人のページ

http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/

に自己紹介がありますんでご興味のある方はどうぞ。
よく更新している日記コーナーをよめば、だいたい、
この人はどんな感じの人間か分かって頂けると思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、前回の問題を振り返って

前回、頭の体操のコーナーで問題出したところ、以外にも
多くの反響を頂き、こういう形式は好きなのかなって感じました。

メールいただいた方には、本当は、全員にとりあえず簡単なコメントとして
返信しておきたかったのですが、全員に送ることは出来ませんでした。
申し訳ありませんが、本、メールマガジンを持って返信に変えさせていただきます。

愛想がないとか思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
なにしろ、予想以上の回答を頂いたんでその点はご容赦ください。

また、このメールマガジンで不明な点は遠慮なくメールください。
そして、返信が欲しいなと思われの方は、さりげなく「?マーク」とか
を入れていただければ、なるべく早く返信します。

なお、頂いたメールにはすべて目を通しております。
今後のメールマガジンの方向性に役立たせたいと思ってます。

#「頭の体操のコーナー」を今後も続けてくださいというメールもあったんですが、
#こっちもそれほどいいネタ持ってるわけではありませんので、いいネタある方は
#教えていただけると助かります。


前回、「直感でも構わないから、問題の解答が分かったらメールをして欲しい」
と書いたのは、直感の大切さをちょっと分かってもらいたかったためです。

直感が働くというのを、駄目だという人もいるかもしれませんが、
私はそうは思ってません。実は、直感が働くということは、その分野に関して
ある程度の理解があるということなんです。

全く知らない分野に関しては、直感なんて働くはずないですよね。
直感で問題を解けるというのは成長への一つの大切なステップです。

また、こちらが想定してないやり方・切り口で解答してくれた人も
いました。十人十色とはよく言われますが、本当にそれを実感できました。

最近の世の中、結構自分の意見を抑えてしまってしまう人が目立ちますが、
本当にもったいないなと思います。
数学に限らず、自分の意見はドンドン主張した方が言いと思います。
(ただ、意見を押し付けることはあんましない方がいいようです。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2、前回の問題の解答

その前に、前回出題した問題をもう一度、見てみよう。

●問題●
x、y、zを正の整数と仮定したときに

1 1 1 4
--- + --- + --- = ---
x y z 5

を満足するx、y、zを求めよ。

----------------------------------

最初は、

(xy+yz+zx)/xyz = 4/5

と通分してみた方が多いのではないでしょうか?

確かにこれは自然な発想です。
しかし、なんか難しそうでやめてしまった人も多いでしょう。

しかし、ここからも有用な情報は得られるのです。

(xy+yz+zx)×5 = 4×xyz

となり、x,y,zのいずれかは5の倍数であるという情報は得られます。
(左辺が確実に5の倍数であること、5が素数であること、4は5では割れないこと
を用いる事によって導きます)
#これで理解できますでしょうか?

実際は、この事実は使わなくても解答できます。

しかし、この事実も頭に入れながら、以下で解答していきましょう。

★★★★★★★★
★直感的な解法★
★★★★★★★★

●パターン1 「問題を自分の馴染みある形式に直してみる。」

4/5を少数に直して考える人がいた。

4/5=0.8
として、

きっといろいろ組み合わせを考えてみて

0.8=0.5+0.2+0.1
1 1 1
= --- + --- + ---
2 5 10

と出したのでしょう。

きっと、この解答者は、分数よりも少数の方が、馴染みがあるのでしょう。
このように、「自分の得意な形式に書き直して考えてみる」という
発想はとても大切です。

ここでは、このことを強調しておきましょう。

この他にも、線分を書いて考えた方、円を書いて角度で考えた方、がいました。
これらも、「自分の得意な形式に書き直して考えてみる」ということになります。
とてもいいことであり、大切なことです。

●パターン2 「いろいろな数字を試しに入れてみる」

いろいろ数字を入れてるうちに解けたって人は
結構多くいましたね。これも、非常に大切なことですね。
いろいろ数字を入れる事によって、感覚というのが生まれて、
理解も深まりますからね。

このように、「実験する」という行為も数学的なセンスを磨く上では
非常に大切な行為です。

試しては、上手くいかず、そしてまた、試して失敗して…
そして、成功!
これって、成長の典型的なモデルですよね。

失敗するというのは、
「それが正しくない」ということが分かったという意味もあるし、
つまり、そこには課題があるわけで、そういう発想で物事を考えていけば
いくらでも人は大きくなれると思います。

「失敗は成功のもと」って言葉はきっとこういうことなんでしょう。

★数学的(論理的)解法

数学的には、下記のように解くのが一般的だろう。

まず、 x ≦ y ≦ z と仮定しても一般性は失わないことに注意する。

(ここで「≦」という記号について説明しよう。
これは、どっちが大きいかを比較するために用いる記号である。
"x≦y"と書いた場合は「xはy以下である」という意味になる。
また、上記で"="を取って
"x<y"と書いた場合は「xはy未満である」という意味になる。
この場合は、xとyは等しくならないことに注意する。
)

これは、x.y,zを交換したとしても式自体は同じになるということから
使用可能な考え方である
よく使用する手法であるので、この部分を、理由も込みで理解しましょう。


1 1 1 1 1 1 3
--- + --- + --- ≦ --- + --- + --- =---
x y z x x x x

(ここでは、x ≦ y ≦ z ということから
1 1 1 1
--- ≧ --- , --- ≧ ---
x y x z
を用いている。
こうみると、難しく見えるかもしれないが、要は
1 1 1 1
--- ≧ --- , --- ≧ ---
2 4 3 5
とか言うことですね。

もっと分かりやすく言うのなら、ケーキを4人に分けるのと5人に分けるのでは、
どっちの方が小さくなるかということにすぎません。
(分ける数が多ければ多いほど1つあたりのケーキの大きさが小さくなる
という当たり前のことです。)
)

ということから、
4 3
--- ≦ ---
5 x (ここでは、1/x+1/y+1/z = 4/5を使用してます)

これより、両辺に5×xを掛け算する事によって、

4x ≦ 15

となり、両辺を4で割り算する事によって、

15
x ≦ --- =3.75
4

xは、正の整数であったので、
ここから、まず、x=1 or x=2 or x=3 であることがわかる。

ここから、いわゆる「場合分け」という作業をする。
これは、いわゆる、可能性のあるものをすべて調べてやる
という総当り式の方法である。
これも、よく使用する数学的な手法の一つである。

○ x = 1 の場合

1 1 1 4
--- + --- + --- = ---
1 y z 5

となるので、両辺を1引き算する事によって

1 1 1
--- + --- = - ---
y z 5

となるがy,zも正の整数なので、右辺が負になることは
ありえない。
よって、x=1の可能性は無し。


○ x = 2 の場合

1 1 1 4
--- + --- + --- = ---
2 y z 5

となるので、両辺を(1/2)引き算する事によって

1 1 4 1
--- + --- = --- - ---
y z 5 2

8 5
= ---- - ---- (通分してみる)
10 10
3
= ---
10


前にやったのと同様な作業をする。つまり

1 1 1 1 2
--- + --- ≦ --- + --- = ---
y z y y y

3 2
--- ≦ ---
10 y
20
y ≦ --- =6.66666
3


前にやったのと同様な作業をする。

y = 2,3,4,5,6 の可能性があるのでまたまた場合分けをする。
以下計算すると、下記のような感じになることが分かる。
(作業としては単純にyに値を代入して、残りのzを求めるという作業)
y = 2 のとき z = -5 ダメ(zが正でない)
y = 3 のとき z = -30 ダメ(zが正でない)
y = 4 のとき z = 20 OK
y = 5 のとき z = 10 OK
y = 6 のとき z = 7.5 ダメ(zが整数でない)

○ x = 3 の場合

1 1 1 4
--- + --- + --- = ---
3 y z 5

となるので、両辺を(1/2)引き算する事によって

1 1 4 1
--- + --- = --- - ---
y z 5 3

12 5
= ---- - ---- (通分してみる)
15 15
7
= ---
15


前にやったのと同様な作業をする。つまり

1 1 1 1 2
--- + --- ≦ --- + --- = ---
y z y y y

7 2
--- ≦ ---
15 y
30
y ≦ --- =4.28
7

x≦y≦z で現在x=3であったので

y = 3,4

y=3のとき x = 7.5 ダメ(zが整数でない)
y=4のとき x = 60/13 ダメ(zが整数でない)


以上より、求める解は、小さい順に並べたときには

x=2 ,y=4 ,z=20
x=2 ,y=5 ,z=10

となり、一般にはこれらを入れ替えたものも解であるので、

x=2 ,y=4 ,z=20
x=2 ,y=5 ,z=10
x=2 ,y=20 ,z=4
x=2 ,y=10 ,z=5
x=4 ,y=2 ,z=20
x=5 ,y=2 ,z=10
x=20 ,y=2 ,z=4
x=10 ,y=2 ,z=5
x=4 ,y=20 ,z=2
x=5 ,y=10 ,z=2
x=20 ,y=4 ,z=2
x=10 ,y=5 ,z=2

がすべての解となる。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3、頭の体操のコーナー

●問題●
3次元の空間、すなわち我々が日常生活住んでる空間を考える。
ある1点を決定して、そこから線分を引くことを考える。

2つの「線分」を取り出したときに、そのなす角がすべて90度を
超えるようにしたい。

この条件を満足するような線分は最大何本引けることが可能となる
でしょうか?
-------------------------

とりあえず、最初は2次元の世界(紙の上)で考えてみるといいでしょう。
それが出来れば、3次元に拡張するのは容易ですかね。

ちゃんと解答するための、キーワードとしては
「ベクトル・内積」なんかの知識が必要となりますが
知らない人はこれまた、直感的に解答してみてください。

第8回:等差数列の不思議(補足編)

=======================================
やさしく数学を
第8回 1.受験生の方へのメッセージ
2.等差数列の不思議(補足)
3.頭の体操のコーナー
=======================================

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皆様、こんにちは。

この度、再びウィークリーまぐまぐで紹介されたということもあって
またまた、読者が急増しました。
前回よりも1500人以上増加してます。

というわけで、はじめましての方は、はじめまして。

まだ、このメールマガジンは、手探り状態というのもあって
いろいろ試行錯誤しながら、皆にとっていいものを提供できるよう
頑張ってます。

そのためには皆様からのお便りは必須となりますんで、
どしどし、気軽にお便りください。

また、本メールマガジン連動の掲示板もありますので
こちらの方もご利用ください。
http://bbs11.otd.co.jp/1103846/bbs_thread

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1、受験生の方へ(受験生を子に持つ両親の方へ)

2月になると、受験生の方は受験が始まります。
ということで、受験生、もしくは受験生を持つ親御さんに、
簡単にアドバイスしておきます。

・まず、受験前日はよく寝ましょう。

受験というのは、いままで、長期で頑張ってきた成果を示す場です。
直前に一夜漬けで頑張るのは、はっきり行って無駄です。
当日、試験中に眠くなったり、かえってマイナス面が多く出ます。

・次に、マークシート型の試験の場合は、シャープペンシルではなく
鉛筆を使用しましょう。

マークシート型の試験の場合は、シャープペンシルでは塗りつぶすのに
意外と時間がかかります。はっきり言って馬鹿にできないくらいの時間は
損します。試しに鉛筆とシャープペンシルで塗りつぶす速度を計測して
みてください。きっと、1つの試験に対し、意外なくらい時間差があることに
気付くはずです。

こういう方法も、皆に差をつける小さな方法です。

とりあえず、思いつくのはこんなもんです。
試験、いい結果が出ることを祈っております。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2、等差数列の不思議(補足)

前回で、等差数列は終了の予定だったのですが、
大事なことを書き忘れてたので、今回はその補足です。

前回、下記の問題について考えました。

===================================================
「ゼロから数えてn個目までの奇数の総和はnの二乗に等しい」
これって証明できるのでしょうか?

例1)1+3+5+7+9+11+13+15+17+19 = 10^2 = 100
例2)1+3+5+7+9+11+13+15+17+19+21+23+25+27+29+31+33+35+37+39 = 20^2 = 400

なんとなく不思議でしょ?
===================================================

前回は、これを数式的なもので説明しました。
実は、もっと直感的に説明できるのです。

まず最初に、碁盤のようなマスのあるものを思い浮かべてください。

縦5マス、横5マスのますは何個あるでしょう??
その計算は、

5×5=5^2(5の2乗)=25

となります。

縦8マス、横8マスのますは何個あるでしょう??
その計算は、

8×8=8^2(5の2乗)=64

となります。

このことに、まず注意しておきます。

話は、奇数の合計の話に戻って、

########
#n=1の場合#
########


(碁盤の左下に「●」を置いてるイメージです)

は自明に1ことなります。



########
#n=2の場合#
########

n=1の場合の周りに「□」をおいてみましょう。

□□
●□

ここで「□」の数は、
・縦に2個、
・横に2個
・ダブって数えた「□」の数が1個
ということから
2×2-1=3個
(これが、奇数を表す式になることに注意です!)

したがって、

1+3=2^2(2の2乗)(←2×2タイプのマスの数)

となります。


########
#n=3の場合#
########

n=2の場合の周りに「★」をおいてみましょう。

★★★
□□★
●□★

ここで「★」の数は、
・縦に3個、
・横に3個
・ダブって数えた「★」の数が1個
ということから
3×2-1=5個
(これが、奇数を表す式になることに再び注意です!)

したがって、

1+3+5=3^3(3の2乗)

となります。
左辺は、「●の数」+「□の数」+「★の数」
右辺は、3マス×3マスの個数を表している
ことにも注意しましょう。

念のため、最後に
########
#n=4の場合#
########
n=3の場合の周りに「▽」をおいてみましょう。

▽▽▽▽
★★★▽
□□★▽
●□★▽

ここで「▽」の数は、
・縦に4個、
・横に4個
・ダブって数えた「▽」の数が1個
ということから
4×2-1=7個
(これが、奇数を表す式になることに再び注意です!)

したがって、

1+3+5+7=4^4(4の2乗)

となります。
左辺は、「●の数」+「□の数」+「★の数」+「▽の数」
右辺は、4マス×4マスのマス個数を表している

ことにも注意しましょう。


ここまでくれば、イメージはつかめたでしょうか??


このように、一つのことをいろいろな角度で見れるということは
とても大切なことです。

||||||||||||||||||||||||||||||
|数学に限らず、いろいろな角度で物事を見ることは大切です。|
||||||||||||||||||||||||||||||

これはちょっと、強調しておきましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3、頭の体操のコーナー

ちょっとした頭の体操として問題を出題します。
各自、思考を凝らして、自由な発想で解答してみてください。

●問題●
x、y、zを正の整数と仮定したときに

1 1 1 4
--- + --- + --- = ---
x y z 5

を満足するx、y、zを求めよ。

なお、この問題の解答は、次回きっちりとする予定です。
(余裕のある人はより一般的に考えるのもいいかもしれません)

★とりあえず、いろいろ考えてみてください。
感性ででも、数式的にでもどのよう方法でも構わないので
自分なりに解答が出来た方は、是非、私までメールください。

また、解答としては完全に答えが出なくても、全然構いません。
そこまでの考えや自分が出来たところまででもコメントいただければ
それはまた嬉しく思います。


皆様の自由な発想を是非、見せてください。
そして、それはきっと素晴らしいものとなってるはずです。

第7回:等差数列の不思議

=======================================
やさしく数学を
第7回 1.等差数列の不思議
2.等差数列の公式
3.今後のメルマガの方針について
4.他のメルマガ宣伝
~このメルマガでは物足りない方へ~
=======================================

#今までいい忘れてましたが、本メールマガジンは
#「等幅フォント」でご覧下さい。
# そうでない場合はずれてしまう場合があります。
# OutlookExpressをご使用の方でずれてるなって思ったら、
# 上の「表示」→「文字のサイズ」→「等幅」でなおります?(未確認)

皆様、こんにちは。
最近、ウィルスやデマウィルス情報やらいろいろ流行っております。

皆さんのお体も、皆さんのPCも病気にならないよう気をつけてください。

なお、本日で数列シリーズは最終回です。
等比数列は、リクエストが多ければ別途後日やることにします。

話は突然変わって、最近、やさしく数学を専用掲示板、

http://bbs11.otd.co.jp/1103846/bbs_thread

にて、いろいろな書き込みがあって嬉しいです。
特に、嬉しかった書き込みが本日のテーマです。

その書き込みとは、「ろってんまいあ」さんより頂いた

====================================
「ゼロから数えてn個目までの奇数の総和はnの二乗に等しい」
これって証明できるのでしょうか?

例1)1+3+5+7+9+11+13+15+17+19 = 10^2 = 100
例2)1+3+5+7+9+11+13+15+17+19+21+23+25+27+29+31+33+35+37+39 = 20^2 = 400

なんとなく不思議でしょ?
====================================

です。

このメルマガで、等差数列をやって、こいう事実に目が留まる
という行動をしていただいたと言うのは、このメルマガを書いてて
よかったなーって感じます。
この「不思議だな」という感覚は是非大切にしてください。

ということで、本日はこれをテーマにしていきたいと思います。


1.等差数列の不思議

まず、
====================================
「ゼロから数えてn個目までの奇数の総和はnの二乗に等しい」
これって証明できるのでしょうか?
=====================================
ということを考える前に、皆さんも実際にnに適当な値を入れて
成り立つことを確認してみてください。

いろいろ、自分の手で(計算して)実感してみると言うのは、
とっても大切です。(数学に限らず)

では、手始めにn=11でやってみましょう。

すなわち、

1+3+5+7+9+11+13+15+17+19+21

を計算してみましょう。

前回の、話を思い出せば、これは、足す順序を逆にした

21+19+17+15+13+11+ 9+ 7+ 5+ 3+ 1

を補助的に以下のように用いて、

1+ 3+ 5+ 7+ 9+11+13+15+17+19+21
+)21+19+17+15+13+11+ 9+ 7+ 5+ 3+ 1
----------------------------------
22+22+22+22+22+22+22+22+22+22+22

となる。
ここで「22」が何個あるか数えると、それは
当然n=11個となる。

したがって、

22×11(個)÷2
(ここで「割る2」をしたのは、正規の順序で足したものと
逆の順序で足したものの2こあるからであることに注意する)

となり、11×11となることが分かる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、前回の練習問題でも述べたように、一般に奇数と言うものは
(k=1,2,3,4,5・・・・)としたときに

2k - 1

で表現される。

#kに2がついているのでkが1増加するごとに「2K-1」は2増えてる
#ということには注意しましょう。

ここで、n番目まで足し算することを考える。
すなわち、

n
Σ(2k - 1)
k=1

を求めることになる。

再び、例の手法を使用することにより、

1 + 3 + 5 + ・・・・・・・・ + 2n-3 + 2n-1
+)2n-1+ 2n-3 +2n-5 + ・・・・・・・・ + 3 + 1
---------------------------------------------------
2n + 2n + 2n + 2n + 2n

とかけることが納得していただけるだろうか?
そして、「2n」の個数はそもそもn個足してたのだから当然n個となる。

したがって、

2n×n(個)÷2
=n×n
=n^2(nの2乗)

となることが分かる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2.等差数列の公式。

もう、ここまで来てしまえば「公式」というよりは下記は
当たり前のこととなるだろう。

下記は、いわゆる等差数列の公式と呼ばれるものである。

=======================
★公式★

(初項)+(最後の項)
等差数列の和 = -------------------×(項数)

=======================

この公式について、簡単に説明します。
ちなみに上記式は分数の形となっており。

(初項)+(最後の項)は、いわゆる
「正規の順序に並べた数列」と「順序を逆にして足した数列」
を縦に足し算する行為になる。

イメージをきちんと持ってこの式を理解できた人は、もう今後ずっと
この公式はおそらく一生忘れないものとなるだろう。

また、そうなっていただけると非常に嬉しいです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3.今後のメルマガについて。

何回かメールマガジンを発行してみて、どんなメールマガジンが
望まれてるのか、探りながら今までは出していた感があります。

そこで、感じるものがあって、今後は、メルマガの形式を
多少変えていこうかなと思っています。

とりあえず、いろいろ皆さんから頂いた疑問を取り上げながら
と言う形を取っていこうと思っています。
そして、基本的には連載形式ではなく読み切り形式に
変えていきたいと思っています。

もちろん、皆様のご意見・ご希望・ご質問は年中無休で募集しておりますので
どしどしお便りください。

今後も数学の面白さや楽しさを伝えられるようなメールマガジンを目指して
頑張っていきたいと思ってますのでよろしくお願いします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4.メルマガ宣伝

このメールマガジンでは、やさしすぎて物足りないという方に
お知らせです。
私の掲示板でもちょくちょく登場して頂いてるシャイン☆結希さん
が作成するメールマガジンです。

シャインさんは、現在「有限群論」という代数学を現役でやられてる方です。
というわけで、代数的な話(大学レベル)や中高生向けのちょっと高度な
数学の問題とかを取り上げてます。

#ただし、数学が苦手という人はちょっとお勧めできないかもしれません。

掲示板なんかも充実してます。

メルマガ購読希望はこちらから:http://www.mag2.com/m/0000060161.htm
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なお、シャインさんのメールマガジンでは、
28日いっぱい締め切りの読者プレゼントを実施しているそうです。

#このメールマガジンでも負けずに読者プレゼント企画してみようかな。

P.S.ちょっと頑張って平日に書いてみました。

第6回:復習を兼ねて(とある貯金法ー解答編)

=======================================
やさしく数学を
第6回 1.とある貯金法の結果
2.Q&A
=======================================

新年、明けましておめでとうございます。
本年もまたよろしくお願いします。

先週の「とある貯金法」で1年後にはいくら貯まってるか?
という問に対し、何人かの方から解答を頂きました。

皆さん、いろいろ試行錯誤して考えてくれたようで
嬉しいです。

今回は、皆さんから頂いた解答を元に前回の問題の
解答を述べていきます。

ここで、大切なのは結果ではなく過程であると言うことを
念頭に置いておいてください。

============================================

1.とある貯金法の結果

最初に、皆さんから頂いた解答を紹介しよう。

●解答法その1

1から365までを中間地点183で折り返して下記のように書く。

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・180,181,182,
183
365,364,363,362 186,185,184,

これを、縦に足してみると、

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・180,181,182,
+ + + + + + + 183
365,364,363,362 186,185,184,
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
366 366 366 366 366 366 366 183

366が182個と183が1個あるので、

366X182 + 183 = 66795

となり、1年間で66795円たまることが分かる。


●解答法その2

1から365までを中間地点182で折り返して下記のように書く。

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・180,181,182,

365,364,363,362,361 185,184,183

これを、縦に足してみると、

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・180,181,182,
+ + + + + + +
365,364,363,362,361 185,184,183
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
365 365 365 365 365 365 365 365 365

365が183個あるので、

365X183 = 66795

となり、1年間で66795円たまることが分かる。

●解答法その3

1から365まで並べたものと、その逆に365から1まで並べたものを書いてみる。

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・,362,363,364,365

365,364,363,362,・・・・・・・・・, 4, 3, 2, 1

これを、同じように縦に足し算してみる

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・,362,363,364,365
+ + + + + + + +
365,364,363,362,・・・・・・・・・, 4, 3, 2, 1
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
366 366 366 366 366 366 366 366

さて、ここで366が365個出てきたわけだが、これはどんな意味がある
数なのだろう??

「1から365まで順番に足したもの」と「365から1までを加えたもの」
が等しい値になる
ということに注意するとわかっていただけるだろうか??。

つまり、まとめると、1から365までの和を求めるために、
「逆に並べたダミーな数列」
365,364,363,362,・・・・・・・・・, 4, 3, 2, 1
を利用して、

1, 2, 3, 4,・・・・・・・・・,362,363,364,365
+ + + + + + + +
365,364,363,362,・・・・・・・・・, 4, 3, 2, 1
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
366 366 366 366 366 366 366 366

により、366が365個あることから

366X365=133590

この値は、
(1+2+3+・・・・・・+364+365)+(365+364+363+・・・・+3+2+1)
に等しく、さらにこの値は
(1+2+3+・・・・+363+364+365)+(1+2+3+・・・・+363+364+365)
に等しい。

したがって
(1+2+3+・・・・+363+364+365)の2倍が133590となる
【2X(1+2+3+・・・・+363+364+365) = 133590】
したがって
(1+2+3+・・・・+363+364+365)は66795となる
(ここで2×66795=133590に注意。)


●まとめ
ここら辺を十分理解する人にとっては、すべて同じ方法に見えるかもしれない。
そう、これら3つの解法は「本質的にはすべて同じ物」なのである。

そう、等差数列と言うのは
「隣り合う数の差が一定である」
というのが性質であった。

例えば、下記のような数列の場合は

1,2,3,4,5

右にひとつ移動するごとに"+1"される。

この等差数列を、逆に並べてみよう

5,4,3,2,1

この数列は右にひとつ移動するごとに"-1"される。

1, 2, 3, 4, 5
5, 4, 3, 2, 1

縦に足し算するとすべて6になると言うのは
上の段のほうは、「右にひとつ移動するごとに"+1"される」のに対し、
下の段のほうは、「右にひとつ移動するごとに"-1"される」からである。

最後に、等差数列に関しては一般的にこのような(解答法その3)考え方で、和を簡単に
求めることが出来ることには注意したい。

メールマガジン創刊号に書いた、「数列の和を公式で覚えるのはポイントが間違ってる」
と書いたのは、その事であり、等差数列の和を求める上で覚えるべきことがあるとしたら
「等差数列を逆に並べて縦に足し算をする」
ということである。教科書に載ってる公式を覚えることにたいした意味はないと言うこ
とは心に留めておいてもらいたい。

次回は、ここまで理解できた方は、容易にその公式が導けるようになってることを
示したいと思う。

●今回のポイント●
等差数列の和は、逆に並べてそれを縦に足し算してみる事によって
簡単に求めることが出来る。


●練習問題●
(1)奇数を1から999まで足し算してみよう。すなわち、
1+3+5+7+ ・・・・ +991+993+995+997+999
を求めよ。

なお、この問題は、
a_k = 2k-1
としたとき、

500
Σa_k
k=1

を求めよ。という問題と同じであることは理解していただきたい。

2、Q&A
Q.
前回、以下のような記述がありました。

「今回のポイント」のところで
「Σは、曖昧さを一掃して厳密に和を表すための記号である。」

のどこが曖昧なのか??

A.

確かに、メールマガジンの場合は、前もって
「初日に1円で以下一日ごとに1円ずつ増やしていく」
と宣言してから
「1円+2円+3円+4円+・・・・・・364円+365円」
と書いたので、曖昧と思わなかったかもしれません。


私が曖昧になると言ったのは、例えば何も宣言せずに

「1円+2円+3円+4円+・・・・・・364円+365円」

書いてしまった場合、この「・・・・・・・・」の部分は
もしかすると、

規則的でなく、順番になってるとも限らないし、
そもそも、何個足すのかですら分かりません。

したがって、Σという記号を記入します。

これを、

365
Σ k
k=1

と書けば、何個足すかも明確になるし、何一つ書き漏らすことなく
書けると言うことになるのです。

第5回:復習を兼ねて(とある貯金法)

=======================================
やさしく数学を
第5回 1.いままでの復習(とある貯金法)
2.とある貯金法(数列的な言葉で表現)
2.Q&A特集(このメルマガを難しく感じる方へ)
=======================================

先週のメルマガを出して、初めて「難しいです」
とかいう類の意見が来ました。
前回は、少し話が抽象的になってちょっと難しかったかも知れません。

というわけで、今回は今までの復習を兼ねた回にしたいと思います。

年末ですし、分からないことをすっきりさせて年を明かしましょう。

============================================

1.とある貯金法

あまり、現実的ではないが以下のような状況を考えてみよう。

--------------------------------------------------------
来年1月1日から微々たる貯金を始めたい。

1月1日(1日目)は、1円貯金箱に入れる。
1月2日(2日目)は、2円貯金箱に入れる。
1月3日(3日目)は、3円貯金箱に入れる。

以後、一日たつごとに貯金箱に入れる金額を1円増やしていく。
--------------------------------------------------------

そうすると、例えば、

1月31日は31日目だから31円貯金箱に入れる。
2月1日 は32日目だから32円貯金箱に入れる。

以降、日付は面倒臭いので、何日目かだけ書くことにすると。

100日目は100円貯金箱に入れる。

このような、貯金法を1年間続けたとしよう。
果たして、いくら貯金できているのだろうか。

とりあえず、
初日は1円貯金箱に入ってるだろう。

2日目はそれに2円入れるのだから

1円+2円=3円

というわけで3円入ってるだろう。
3日目ははそれに3円入れるのだから

1円+2円+3円=6円

というわけで6円入ってるだろう。

2002年は、全部で365日あるわけで、したがって
以下365日分足すと、

1円+2円+3円+4円+・・・・・・・+364円+365円

を求めればいいことが分かる。

この和はいったいいくらくらいになってるだろうか??

とてもではないけど順番に計算する気は起きない。

知らない人は、この計算方法を考えてもらいたい。
また、やり方は分からなくても、大体こんなもんじゃないかなと
予想はしてもらいたい。

こういう感を数学的なセンスと言って、こういう感を鍛える事によって
数字に関する感が少しは冴えるようになる。

こういう数学的なセンスってのは日常生活で一番よく使うもんだと思う。

★もし、知らない人で自分で考えたり予想してみた人は、掲示板とか
★メールでその考えを教えてください。
★内容はどんなものでも構いません。
★どういう思考を持ってるのかなというのは個人的に興味がありますんで

尚、上記数列は数列の言葉でいえば
初項が1で公差が1の等差数列になってます。

2. とある貯金法(抽象編)

1.に書いたことと同じ事を数列的な言葉で書き直そう。

--------------------------------------------------------
来年1月1日から微々たる貯金を始めたい。

初日に1円貯金箱に入れ(初項)、以降1日ごとに貯金額を1円増やす。(公差)
つまり、
i日目にi円貯金箱に入れる。
--------------------------------------------------------

すると、
i日後に貯金箱に入れる金額をa_iと定義する、

つまりa_i=iと書くことにすると、

i日経過後は (a_i)円貯金箱に入れる。

と書きかえられる。
これは単なる言い換えに過ぎない。

さて、それでは、1年後の貯金額を求めよう。

上記1.では

1円+2円+3円+4円+・・・・・・・+364円+365円

とかいた。

しかし、上記書き方だと実は・・・・・・の部分が非常に曖昧なのである。

「そのために和の記号Σを用いる」

Σを用いる意味はここにあることは前回述べなかったがここに意味がある。

Σを用いるためには1日目に貯金箱に入れる額から365日目までに貯金箱に
入れる額を足していけばよいので、

365
Σa_k
k=1

と書ける。
このΣで表現した式は、上記の場合

1円+2円+3円+4円+・・・・・・・+364円+365円

と同じ意味であることは、繰り返しになるが、充分理解して欲しい。

ちなみに、次回はこの和の求め方を解説します。
一般に、等差数列の和と言うのはあるパターンで簡単に
求められると言うことを解説していきたいと思います。


★今回のポイント★

Σの目的をきちんと理解しよう。
Σは、曖昧さを一掃して厳密に和を表すための記号である。

============================================
2.Q&A特集

Q. a_kの意味は??

A. これは、単に数列aのk番目の数と言う意味です。
このaの意味は、数列という「数の並び」に名前をつけたものです。
aと書いてもこれは数字の列を表してるのには注意が必要です。

Q. aは規則正しくないといけないのか??

A. 数列は規則正しくなくても別に構わないです。

Q.このメルマガ、、、私にはじゅうぶん難しいです。
みなさん、このレベルでは物足りないのでしょうか?

A.そんなことは無いです。
始めてみる人は難しく感じるし、見たことある人は
やさしく感じる。
数学ってそんなもんです。

このメルマガを受講してると言うことは、多少なりとも数学に興味があると
信じてます。基本的にはその気持ちさえあれば、数学がやさしく感じる日も
遠くは無いはずです。
分からないことは、掲示板・メール等で積極的に質問してください。
分からないままにすると、その先に進めません。

一方、分かる人も掲示板に来ていただいて分からない人に教えてあげれるような
世界を掲示板で実現させたいと思ってます。
(もちろん私も返信いたしますが負担が少しでも軽くなれば助かります)

今年の発行はこれが最後になるでしょう。
それでは、皆さんよいお年をお迎えください。

第4回:記号Σ(シグマ)について

=======================================
やさしく数学を
第4回 1.記号Σ(シグマ)について
2.Q&A(受験数学と本メルマガ)
=======================================

いよいよ年末ですね。
2001年ももう残りわずかです。

寒くなり、各地で雪の知らせを聞くことも多くなりました。
受験生の方は、受験も間近です。
ありきたりになりますが、健康には是非気をつけてください。

============================================

1.記号Σ(シグマ)について

●はじめに●
数列を考えるうえで、和と言う概念は重要となる。
世の中の現象の統計を取るときには、平均値や合計値など欲しくなるものであり、
それには和という概念が必須になる。
ちなみに、蛇足かもしれないが「和」とは単なる「足し算」の事だと思って下さい。

なお、今回の内容内の数式が見づらいと感じた方は下記html版ページ
http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/math4.htm
だと多少は見やすくなってます。

●和の記号Σ(シグマ)●
下記のような初項が1、公差が1の等差数列aがあったとする。
(そろそろ慣れてきたでしょうか?)
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、・・・・・

ここで、これらは

a_1=1、a_2=2、a_3=3、a_4=4、a_5=5、a_6=6
a_7=7、a_8=8、a_9=9、a_10=10、a_11=11、a_12=12、・・・・

の意味だったことは思い出していただきたい。
("a_1"とはaの右下に小さく付く添え字と理解してください)

ここで、初項から5番目まで足し算してみよう。

1+2+3+4+5=15

このくらいだったら、全部書いてもたいした苦ではない。
しかし、初項から100番目足し算したい場合はどうだろうか??

1+2+3+4+5+・・・・・・・+98+99+100=???

足し算するのも、足し算を書くもの億劫になる。
ここで、和の記号と言うものが欲しくなる。
それがΣ(シグマ)である。
ここで、注意したいことは

「Σというのはまったく難しい概念ではなく、単なる足し算を書き換えたもの」

と言うことである。

足し算を決めるためには下記の要素が必要となることにまず注意する。
・ 足し算の対象の数列
・ 何番目から足し始めるか?
・ 何番目まで足すのか?
これが決まれば、足し算の式は決定する。
したがって、Σにもこれらの要素が含めらる。

具体的には、例えば、数列は冒頭のa、1番目から5番目までを足す

1+2+3+4+5

=a_1 + a_2 + a_3 + a_4 +a_5

5
= Σ a_k
k=1

最後のΣの部分の意味は、Σの下についている数字が、
「何番目から足し始めるか?」
を意味し、上についてる数字が、
「何番目まで足すのか?」
を表す。
ちょっと、難しいかもしれない。

要するに、

5
Σ a_k
k=1

これを見たら、最初はk=1(1番目の数字)から始め、数列のa_kにk=1を代入し
a_1
が出てくる。
次に、k=2(2番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=2を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2

次に、k=3(3番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=3を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3

次に、k=4(4番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=4を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3+a_4

次に、k=5(5番目の数字)に移動し、数列のa_kにk=5を代入し、前のものを加える。
a_1+a_2+a_3+a_4+a_5

以上で終着駅のk=5まで達したので以上で終了となる。
Σと言うのは、このように、足し算を簡単に表すためにある。

より一般的に1番目からn番目まで足し算する場合は、下記のように表される。

n
Σ a_k
k=1


また、5番目からn番目足したい場合は、

n
Σ a_k
k=5


と書くこともできる。

★今回のポイント★
Σの意味をきちんと理解しよう。

特に「Σの上下につく数字」と、

「Σで表現された式を足し算に書き換える行為」

は重要である。

●確認問題●
下記のような初項が1、公差が1の等差数列aがあったとする。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、・・・・・
(1) 1番目から100番目を足す式をΣを用いて表せ。
(2) 10番目から60番目を足す式をΣを用いて表せ。

★注意★
これが分からない場合は今回の話が分かってない可能性が高いので
もう一度読み直すか、掲示板・メールで質問してください。



============================================
2.Q&A

読者の方からこんな質問を頂きました。
「数学の入試問題でとき方とかおしえていただけるのでしょうか。」

現在は、内容も優しすぎると感じて、もしかしたら受験生の中には
「こんなことやっても受験にはなんも役には立たない」
とか考えてる方もいるかもしれない。

確かに発行ペースが遅いので、このメルマガだけで受験勉強には
ならないかもしれません。

しかし、受験勉強に対する姿勢としては、間違ってるとは思いません。
根本からきちっとした土台を築くことはとても大切です。

一見、優しすぎて受験には役に立たないと思うのでしょうが、
数学の受験問題は、基礎的なことを積み重ねることで突然解けるように
なったりします。

結局はやさしい物の集まりの「部品が足りなくて」、難しく感じるだけなのです。

第3回:等差数列を数式で

=======================================
やさしく数学を
第3回 1.等差数列を数式で
2.前回の訂正
3.本メルマガの意図
4.数学に関するHP紹介
5.掲示板の投稿紹介
=======================================

まぐまぐにて「今月のお勧めメルマガ」にて本メルマガが紹介されました。
そのおかげもあって、購読者も一気に3倍近く膨れ上がり、現在は3500人を超え
る読者数にになりました。
たいしたメルマガではないですが、今後とも心温かいご支援のほど
よろしくおねがいします。

なお、今回初めて購読される方は、文末のurlより過去ログをご覧になってから
読むことをお勧めします。

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数学嫌いの原因として、ひとつあげられるのが、
教科書とかは、公式・数式を「重要」と囲うので、皆が
それだけを覚え、その式自体が持つ意味を考えないことも
一つとしてあげられると思います。

意味を持たないものは当然、すぐに忘れてしまうし、
忘れてしまった結果、分からなくなる。

意味もなく、ただ単に公式に適用するだけの作業が
面白いわけもありません。

そんな感じで、数学がつまらなくなる。と言うパターンが
多いような気がします。

今回は、前回までの説明を「数式化」してみます。

式を見たときには

「意味を考える」

ということが重要であると言うことは強調しておきます。
(いわゆる公式と言うものを見た時は、決して文字だけで覚えようとしないで下さい。)
上っ面よりも中身が大切です。

ここらへんを心に留めながら、本題に入りることにします。

============================================

1.等差数列を式で表現する。

前回は等差数列の概念についてやりました。
前回は、なるべく言葉での説明を心がけました。
今回は、それをやや数学的な表現で書き直します。

今回大切なのは、「式の意味を考える癖をつける」
ということです。

------------------

「1番目の数(初項)は1、隣り合う数の差(公差)は2」
という条件があれば、
1,3,5,7,9,11,13,15、・・・・・・
と数列を構成できる。

ここで、「初項」「公差」というの初めて出てきた言葉である。
これは、数学的によく使われる言葉ということを補足しておくが、
本来の意味を失わないようにはしてもらいたい。

どのようにこれらは求められたかと言うと
(2番目の数)=(1番目の数)+2

(3番目の数)=(2番目の数) +2
=(1番目の数)+2+2
(1番目の数に2を2回足し算する)

(4番目の数)=(3番目の数) +2
=(2番目の数)+2 +2
=(1番目の数)+2+2+2
(1番目の数に2を2回足し算する)

これでは、多少分かりにくいかもしれない。どういう意味か別の角度から見てみる。
等差数列は、説明の都合上、縦に書いてみると書きのような構造となっている。

1番目:1
↓ +2
2番目:3
↓ +2
3番目:5
↓ +2
4番目:7
↓ +2
5番目:9
↓ +2
6番目:11
↓ +2
7番目:13
↓ +2
8番目:15

(上記イメージ図の意味は↓で次の数に進むときに2を加えているという、まぁ隣り合う
項の関係を表したものです。)

上の図を見れば、4番目の数を求めるためには
初項(1番目の数)に公差(隣り合う数の差)を3回足す事が分かる。
また、8番目の数を求めるためには
初項(1番目の数)に公差(隣り合う数の差)を7回足す事が分かる。

そして、もっと先の数20番目の数を求めてみよう。
そのためには、上の矢印の数を数える行為が必要になる。
20番目の数と1番目の数との間には何個の矢印が入るか??

ここで、上記例を元に、各自に「○番目」は「何回足せばいいのか」考えていただきたい。
(要するに、上記例では、矢印「↓」を数える行為になる)

なお、ここで強調しておきたかったことは、
・ 初項(1番目の数)
・ 公差(隣りあう数の差)
の2つが分かれば、○番目の数が求められると言うことである。

では、ここで、ちょっと数学っぽく一般化してみる。
・ 初項(1番目の数)をaとする。 (aにはある数字が入る)
・ 公差(隣りあう数の差)をdとする (dにもある数字が入る)
そうすると、具体的にやった場合と同様に

1番目:a
↓ +d
2番目:a+d
↓ +d
3番目:a+2×d (=a+d+d)
↓ +d
4番目:a+3×d (=a+d+d+d)
↓ +d
5番目:a+4×d (=a+d+d+d+d)
↓ +d
6番目:a+5×d (=a+d+d+d+d+d)
↓ +d
7番目:a+6×d (=a+d+d+d+d+d+d)
↓ +d
8番目:a+7×d (=a+d+d+d+d+d+d+d)


それでは、n番目の数を式で表そう。
イメージ的には、上記イメージを利用して
(n番目の数)=(1番目の数)+("↓"矢印の数)×(隣り合う数)
別の言い方をすると、
(n番目の数)=(初項)+(n番目に行くまでdを加えた数)×(公差)

したがって、n番目の数をa_nとし、初項をa、公差をdとしたときに、
a_n= a+(n-1)×d
となる。ここで(n-1)は(n番目‐1番目)をする事によって矢印「↓」の数を求めたものである。

繰り返しになるが、この式の意味は見失わないでもらいたい。

「n番目の数を求めるためには、初項aに(n-1)回dを加えた」

と言う意味である。

★今回のポイント★
式の意味は見失わないようにしよう。
そして、式自体を覚えることよりも意味を理解する方を
重点においてもらいたい。
意味もなく覚える行為のほうが、一時的にははるか「楽」だが、長い目で見ると
この行為自体は、後で苦しくなる。

●確認問題●
上記公式
a_n= a+(n-1)×d
を、初項が1、公差が2の場合(一番最初の例に同じ)に適用してみて、
結果が同じものになることイメージ図とともに確認せよ。


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2.前回の訂正

前回、の文章内で
1,2,3,4,5,6,8,9,10,11、・・・・・・
という数列を書きましたが、これは
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11、・・・・・・
の誤りです。ここで悩んでしまった方は大変申し訳ありませんでした。

#あと、変だなって悩んだら気楽に掲示板やメールで問い合わせてください

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3.本メルマガの意図

私は、現状の日本の「理系離れ」の問題を
深刻なものと捕らえています。

理科系の知識や技術は、新しいものを生み出すのには必需です。
世の中当たり前なもののほとんど(例えば携帯電話やTV等々)
も理科系の知識や技術の結晶といってもいいくらいです。

今後、新しいものを生み出すためにはこのような状況って
あまり好ましくないと個人的には感じてます。

そして、新しいものを生み出す行為は、経済的な面から見ても
プラスになると個人的には思ってます。

「数学離れ(=理系離れ)と言うのを少しでも減らしたい」

と言うのが私の本当の気持ちであり、本メルマガの真の意図であります。

今後とも本メルマガをよろしくお願いいたします。

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4.HP紹介
本、メールマガジンの読者でもある、安部さんという方のHPを紹介します。
ここは、このメールマガジンとも趣向が似てると思いますので、まだ、ご存じない方は
一度、ご覧になってはいかがでしょうか??

数学関連小ネタ集(生活に関わる数学等々のお話)
数学に関するコラム、数学嫌いの直し方

等々たくさんのコンテンツがあります。

アドレスは
http://www5a.biglobe.ne.jp/~bebeshi/main.htm
です。

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5.掲示板より
前々回あたり、お勧めの数学の本の募集を致しましたが、本メルマガ掲示板にて
butanosukeさんより「おもしろかった数学小説」について教えて欲しいと言うような
書き込みがありました。
皆さんが読んだ、「数学者の生き様」を描いたような本に興味があり、
お勧めがありましたら、是非書き込みよろしくおねがいします。

掲示板には、その他、ご意見ご感想、間違いの指摘等々気軽に書き込んで
行ってください。私の方からも出来る限り返信いたします。

第2回:等差数列について

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やさしく数学を
第2回 1.掲示板新設のお知らせ
   2.等差数列
3.数学嫌いの根本的な原因について
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1.掲示板新設のお知らせ。

先週は発行を休んでしまい。すいませんでした。

ところで、本メールマガジン専用の掲示板を下記に設置しました。

http://bbs11.otd.co.jp/1103846/bbs_thread

メールでは,しにくかった質問やご意見・ご感想なんか気楽に書き込んでください。
また、答えられそうな質問には、皆様の間で答えてくださると助かります。
基本的には本メールマガジン読者同士の気軽な掲示板にしていただきたいと
思ってます。
(掲示板にはいろいろ記入する欄がありますがすべてに記入する必要はありません)

2.等差数列

前回は数列の概念についてやりました。
今後、生きていくうえで、現実の社会の中に
「順序に意味のある数の並び」(=数列)に注意して
生きていくと言うのもいい心がけかもしれません。
そういう注意を配る事によって、新たな発見があるかもしれません。

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前回は、数列について学んだ。
今回は、特別な規則性のある数列を学ぶ。
規則性のある数列として有名なのは、等差数列・等比数列とあるが、
今回は等差数列について学ぶことにしよう。

◆等差数列とは??

前回、数列という言葉を学んだ時、
「数列とは難しいものではない」
と強調した。今回もこの「等差数列」と言う言葉に惑わされないで、
「規則性のある数列なんだ」という軽い認識でいてもらいたい。


例えば、下記のような数列があるとする。

1,2,3,4,5,6,8,9,10,11、・・・・・・

これを、見てどんな規則があるか考えていただきたい。


まぁ、すぐに思うことは、きっと順番に並んでるなという風に思うでしょう。

数列の規則を見るときには一つのポイントがあります。

それは、「1番目と2番目の数の関係」とか「2番目と3番目の数の関係」
とか,いわゆる

「隣同士の関係」

です。


この「隣同士の関係」という観点から、再び下記数列を見てみましょう。

   1,2,3,4,5,6,8,9,10,11、・・・・・・

今度は、どういうことに気付いたでしょうか??
(数列の得意な人は、最初の時点で気付いたでしょうが…)

そう、隣同士の関係は
「すべて、差が1である」(「隣り合う数の差」=1)
ということに気付くだろう。

数式で書くと

a_2-a_1=1 (2番目の数と初めの数の差は1である)

a_3-a_2=1 (3番目の数と2番目の数の差は1である)

a_4-a_3=1 (2番目の数と3番目の数の差は1である)

と表現できる。

【 _(数字)は下付文字です】
(参考)http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/math1.htm


または、同じ事だが
「すべて、前の数字に1を足したものが次の数字になってる」
とも言える。

数式で書くと、

a_2= a_1+1 (2番目の数は1番目の数に1加えた物)

a_3= a_2+1  (3番目の数は2番目の数に1加えた物)

a_4= a_3+1  (4番目の数は3番目の数に1加えた物)


次に別の数列、

2,4,6,8,10,12,14,16、・・・・・・

があるとする。これもどんな規則があるだろうか??


今度も同じように
「隣り合う数の差」=2
と言うことに気付けるでしょう。

特には触れなかったが、上記例のような数列を等差数列と言う。


等差数列とは何か?
まとめると、

「隣り合う数の差」=「一定な数」

ということで特徴付けられる。
これは、重要なポイントであると強調しておく。


等差数列と言う名も、実はよく見るとそのまんまで、

「隣り合う数の差が等しい数列」

それを略して等差数列とよんでる。
それほど、難しいネーミングではないことも納得して
いただけるだろう。


◆等差数列を定めるためには?

等差数列を決定するために、必要なものはなんであろうか??
とりあえず、等差数列の特徴である「隣り合う数の差」は必須だろう。

これだけで、数列は決定できるだろうか??

言い換えれば、
問題:「隣り合う数の差」=3の数列を作れ

という問題に対し、答えは一つに定まるのだろうか??

数列
1,4,7,10,13,16,19、・・・・

も条件を満足するし、数列

8,11,14,17,20,23、・・・・・

も条件を満足する。

そう、何が足りないかといえば「基準となる数」が足りないのだ…

通常、「数列の一番目の数」を基準とする。

それでは、次の問題を考えてみよう。


問題:一番目の数が5であり、さらに「隣り合う数の差」=3の数列を作れ

解答)

最初の項は条件から5である。

次に2番目の項を求める。
「隣り合う数の差」=3 であったので
2番目の数=「1番目の数」+3=5+3=8

さらに、「隣り合う数の差」=3 であったので
3番目の数=「2番目の数」+3=8+3=11

というわけで、以下同様に数列としては

5,8,11,14,17,20,23,26、・・・・・

と数列が決定する。■



★今回のポイント★

等差数列は、
「隣り合う数」の差=一定数
ということで特徴付けられる。

そして、「一番目の数」と「隣り合う数の差」が決定すれば
求める等差数列は、決定する。

● 練習問題●

下記、等差数列

5,12,19,26,33,40,47、・・・・・・

があったとする。

(1) 隣り合う数の差を求めよ。
(2) 「47」の次の数を求めよ。


★ 練習問題が解けない場合は理解が不十分な可能性があります。
★ 今一度、読み直すか、質問をして下さい。

●お便りの中から●
「数学嫌いの根本的な原因について」

中学生のお子さんを持つ方からお便りを頂いた。
それは、
「数学に興味を持ってもらうにはどうすればいいのか??」
という趣旨のメールだった。
はっきりいって、この問題はかなり難しいもんだと思う。

数学嫌いの原因について、よく勘違いされてることがある。
「なんで、数学が嫌いなの??」って質問に対し、
よくある回答は
「何のためにやんなきゃなんないの。将来、生活でなんにも役に立たないじゃん」
って言う回答が、まぁ悲しいことに非常に多い。

そこで、安易に「数学嫌いが多い原因は将来役に立たないから」
と考えてしまう人もいる。

しかし、私は数学嫌いの根本の原因に「将来役に立たないから」
というのがあるとは思わない。
例え、役に立つことが分かっても本質的にはなんも変わらないのではないか
と思ってる。

子供達はプレイステーション等のゲームは好き好んでやる。
子供達は、ゲームをする理由として

「将来役に立つからやってる」

からなのだろうか?
多分、それは違うだろう??

TV(ドラマやバラエティ)、漫画、なんかも全く同じ事がいえるだろう。

何故、数学等の勉強はしたくないのに、ゲームは好んでするのか??
私は、冒頭に述べたこの問題の解決策はここら辺にあるような気がしてる。

面白いゲームとつまらないゲームとの差はなんなのだろう?
(ゲームに飽きる瞬間ってなんなんだろう?)

面白いTVとつまらないTVとの差はなんなのだろう?
(連続ドラマを見なくなるきっかけってなんなんだろう?)

面白い漫画とつまらない漫画との差はなんなのだろう?
(週刊漫画誌を買わなくなるきっかけってなんなのだろう?)

ここら辺になにか数学に興味を持たすという答えがあるような気はしている。
(残念ながら現在、私の中にこれと言った答えは持ち合わせてない…)

ちなみに私のサンプルな意見としては
・最初から難しいゲームよりも最初は簡単な方がいい
・連続ドラマは、途中から見るよりも最初から見たほうが面白い
・ドラマは人物設定を知ってた方が面白い。
等々です。

話は戻って、つまらないゲームやTVは、
「ゲーム見なさい」とか「TV見なさい」とか言う風に
親や先生に強制させられることはない。
だから、「将来役に立たないじゃん」というゲームをしない理由は
必要とならない。

一方、勉強は強制させられる。
なので、
「将来役に立たないじゃん」
という理由で逃げようとする。

数学を勉強しないのは
「将来役に立たない」
からではなく、本当はこんなことどうでもよく、
「分からない→つまらない。」
と感じているからであると言うことだけは強調したい。

そこで、教える立場にある人は「つまらない」と感じさせないように
することが大切で、そのためには

筋道立てて「分かる」ように説明する。

というのが重要だと思っている。
(まぁ、これがとっても難しいことなんですけど…)

第1回 :数列とは

前回の創刊準備号から1週間たちました。
皆様から20通近くのメールを頂き、すべてに目を通させていただきました。
数学はそんな好きでなかったとかいう人が意外と多くて、結構以外でした。そして、社会人になってもう一度ちゃんと勉強しようと思ってる人も多いのにはちょっと驚かされました。
ご意見とか、今回には反映できなかったものもありますが、ご意見はすべてまとめてメモしてあるので次回以降に反映させていただきます。
なお、本メールマガジンは当初はHTMLメール形式にしようと思ってたのですが、間違ってテキスト形式で申請しまったのので、テキスト形式の配信になります。
同じ内容な物をHTML形式で多少見やすい形にして、下記サイトに置いてます。よろしければこちらもご覧下さい。http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/math1.htm
数列を理解してる人にとっては当面退屈な話となるかもしれません。でも、数学ってそんなもんなんです。分かってしまえば、当たり前の事ばかりなんですね。
皆様も、次回以降、別の機会で数列の話を聞くときは退屈になれるようになってればいいなって思ってます。
第1回 数列
1、 数列とは??例えば、銀行に行って口座を作って、最初に10000円預けてみたとしよう。それを放って置いて、1年経つとほんのわずかな利息がつき10100円になっていた。(実際は、当然こんなにつきませんが)さらに1年後(つまり預けて2年後)10201円になっていた。以下、一年ごとに貯金は、10201円→10303円→10406円→10512円と増えていくとする。
数字を最初から並べていくと、10000,10100, 10201,10303,10406,10512,・・・・・・・・と書くことが出来る。こんな「数字の並び」を数列っていう。
「数字の順序に意味を持つ」
ことには注意したい。
数列とは高校2年生辺りで習うものだが、このようにそんな難しいモノではない。単なる、「数字の並び」だと思っていい。例えば、下記のような数字の並びは数列といえる。
1、2、3,4,5,6,7,8,9,10・・・・・・・
また、別に規則的でなくてはならないと言うわけではない。
  1,3,5,3,7,2,5、・・・・
というのも数列といえる。
2、 数列の表し方
数の並びと言うのは、前にも述べたように「順序が大切」なので順番を明確にするために下記のような記号を導入する。
例えば、次のような数列があるとする。
2,3,4,5,6,7,8,9,10・・・・・・   (1)
1番目の項が2であるということで、これを例えば a_1=2(注:ここでa_1は「aの右下に1という数字を小さく書くと言うイメージです。 テキスト形式の限界です。すいません)
と書く。ここで、aというのは上記「数字の列」(1) 2,3,4,5,6,7,8,9,10・・・・・・に名前を仮につけただけと思ってもらって構わない。
|~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~|補足)関数に関してちょっと知識があって、関数を||y=f(x)||と言う風に、関数にfという名前をつけてるのを見たことある人で、|勘の鋭い人はなんか似てるなって感じを受けるかもしれない。||実は数列も、一種の関数と呼ぶことが出来る。||関数を知らない人は、当面||「関数とは2つの数字になんかの関係性がある」||という認識くらいで充分です。||例えば、上記数列の対応関係は x番目の数が yという風になる。||書き方も上記のような書き方ではなく、関数的に||2 = f(1) …(意味は1番目の数が2である)||とも書けるのだが、数列の場合は一般的には上記のように||2 = a_1 …(これも意味は1番目の数が2である)||と書くことになってる。||この部分は無視してもらっても構いません。|今回の数列を理解しておけば、今度、関数の話をするときに、|理解の助けになるかもしれません。||~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

同様に、上記数列(1)の2番目の項が3であるので同様に  a_2 = 3 と書き、以下、同様に
  a_3 = 4、  a_4 = 5、  a_5 = 6
 と書くことになる。以下、数字の続く限りどこまでも続く。
★今回のポイント★数列は、単なる数字の並びである。そして、数字の順序(つまり○番目の数がナニであるか)が意味を持つ。
● 練習問題●下記、数列3,4,5,7,8,9,11,12,13  があったとする。この数列をbと名前をつける。  この時、次の数字はいくらか??(1) b_1(2) b_5(3) b_7
--------------------------------------------------
●読者のお便りの中から●テーマ:「上手く教えると言うことについて」
うまく教えるには、当然、教える側の深い理解が必要になります。
よく、先生方のセリフの中で「分からない場所をはっきりさせてから質問に来なさい」とかいう人がいます。私はこれは先生方の怠慢だと思ってます。「どこが分からないか分からない」から質問すると言うもんです。質問するときって、所詮はそんなもんですよね。
例えるのなら、「道に迷う」のはどこで間違えたか分からないときであり、どこで間違えたか自分で分かるのなら、自分で再び正しい道を歩けるのです。
先生の仕事の中には、「どこまで、相手は理解しているのか?」「どこの部分から分からなくなってるのか?」を調べるというのが、入ってると思ってます。
これを把握するには、相手との質問によるコミュニケーションで知ることが出来ます。その質問をするための能力として自分の理解が必要になります。
これは、「お医者さんが患者さんに診察をする」という行為に似てると思ってます。
メルマガを読んで、その分野を完全に理解できれば、自然と上手く教えられるようになってる。
まとめれば、上手く教えるって、「相手の理解している部分をきちんと把握すること」再び、道に例えて言い換えれば、
「きちんと筋道立てて、道案内してあげて、道に迷ったときには、迷ってしまった原因の所まで引き戻してあげる」
といってもいいくらいだと思ってます。
●募集項目(お願い)●あと、お便りの中であったリクエストの中に「お勧め本の紹介のコーナ」の要望がありました。
正直、私は、本の紹介を出来るほど、「数学の参考書」や「数学の面白さを伝える本」を読んでません。
そこで、メルマガ読者の皆様の中で「この本はお勧めです。」って言うのがあったら、是非教えてもらいたいなって思ってます。
ちなみに、今、売ってるかどうか知りませんが受験生時代にいいなと思った本は、代々木ゼミナール(予備校)の先生をしてる岡本寛先生他の書いた代々木ゼミナール出版の本(レベル別・分野別になってるやつ)がいいなと思った記憶があります。
追伸:内容を短くしようと思いつつも、いろいろ書き足していったら、 前よりも長くなってしまいました…

第0回:自己紹介と動機

皆様、どうもはじめまして。
そして、まぐまぐの読者登録をしていただき
ありがとうございます。

実は私、メールマガジン発行と言うのは、初めての経験です。
至らない点も多いかとは思いますが、多めにみてやってください。

出す前は、正直100人も読んでくれればと思ってたのですが、
発行後2日くらいで900人弱の登録数があり、はっきりいって
正直、びびっております。

そんなわけで今回は、創刊準備号の位置付けで、

1、自己紹介
2、発行のきっかけ
3、今後のメールマガジンの方向性
4、お話(数学はこんなところでも使われてます)

を書いていきたいと思ってます。

1、自己紹介
大学、大学院修士課程を通じて数学を専攻してました。
教育実習をして、教員の道も考えたのですが、現在は
コンピュータ関連の仕事をしております。
本、マガジンで世の中でどんな風に数学が使われてるか
と言う部分にも触れていけたらいいなとも思ってます。


2、発行のきっかけ。

中間試験の真っ只中なコロ、電車の中である女子高生が
等比数列、等差数列の会話をしてて、 その会話の内容は、
「公式覚えた??」
とかそんなんばっかでした。。

ちょっと、がっかりして、なんか救いの手を差し伸べたくなってしまったのです。
そういう理由で、このマガジンを発行しようかなと思った次第です。

もちろん、その場では変な人に思われたらたまんないので黙って聞いてただけでしたけ…

世の中に数学が嫌いな人たちが多いのも事実。
その理由として、数学を教える人たちにも問題があるのではないかな??
と個人的には思ってます。

教科書は、公式を四角く囲みいかにも重要そうな書き方をしている。

上の数列の場合でも、覚えるべき事は公式自体ではなく、実は別の所にあるのです。

視点を代え、強調する部分を代えるだけでも数学に対する印象がかなり変わるんじゃ
ないかなとも思ってます。
そんな部分をこれで伝えられたらいいなって思ってます。

21世紀はIT時代とも言われているが、そういう人材を育てるには数学的な
センスってかなり有用となります。

将来の日本のためにも、そういうセンスをこれを読んで磨いてもらえたらな
なんて風にも思ってます。

3、メールマガジンについて

冒頭にも書いたとおり、私は普通のサラリーマンですので、
発行は不定期になってしまいます。
ただ、週に1度は発行したいなって思ってます。

とりあえず、2.に書いた理由で、最初のテーマは「数列」から始めようと
思ってます。

それ以降の予定ははっきり言って未定です。
リクエストなんかあったら送ってください。
(読者層も全然わかんないですし…)

なるべく、皆様の望むマガジンにしていきたいと思ってます。

宛先は
takes@02.246.ne.jp
までよろしくお願いします。

同時に、感想や励ましのお便りなんかも頂けると
嬉しいです。

4、お話

これだけで、終わってしまうのもなんなので一つだけお話を。
学生の間でよく聞くセリフの一つとして、
「どうせ数学なんてやったって何の役にも立たない」
とかいう類のセリフがあります。

でも、実際それは、お金を払ってその技術を買ってるからいらないように
感じるだけであって、世の中裏ではいろいろ使われてるのです。

その、一例として、人工知能とかがそれに当たります。
例えば、アイボのようなロボットに話し掛けます。
アイボは、言葉を認識し反応しようとします。
ここですべての言葉のパターンをあらかじめ、用意しておくのは
事実上不可能であり、そうすると、

「聞き取れた言葉の中からどういう行動をするのが一番正しいか判断する」

という行為が必要になります。

数学的にいえば、この言葉が出てきて、次にこの言葉が出てきた時は
こういう行動をするのが正解だという確率が高いと言い換えることが
できます。

イメージ的には、「本日の天気予報は雨です」とロボットに言ったときに例えば
ロボットは「予報」と「雨」しか聞き取れなくても、この2つのキーワードから
きっと「天気予報」だろうと判断し、また、天気予報だからきっと「今日」
の事を言ってる確率が高いだろうと判断し、ロボットは

傘を持ってきてあげる。

という行動を取ることが出来る。

こういう、確率的に判断するようなものは一般的に「ベイジアンネットワーク」
といわれている。また、意外と思われるかもしれないが、MicrosoftのOfficeなどの
製品にも、ここら辺の技術も使われたりもする。

以上、長くなりましたがそんな感じでよろしくお願いします。
(次回以降はもっと短くなると思います。)