土曜日, 11月 04, 2006

第2回:等差数列について

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やさしく数学を
第2回 1.掲示板新設のお知らせ
   2.等差数列
3.数学嫌いの根本的な原因について
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1.掲示板新設のお知らせ。

先週は発行を休んでしまい。すいませんでした。

ところで、本メールマガジン専用の掲示板を下記に設置しました。

http://bbs11.otd.co.jp/1103846/bbs_thread

メールでは,しにくかった質問やご意見・ご感想なんか気楽に書き込んでください。
また、答えられそうな質問には、皆様の間で答えてくださると助かります。
基本的には本メールマガジン読者同士の気軽な掲示板にしていただきたいと
思ってます。
(掲示板にはいろいろ記入する欄がありますがすべてに記入する必要はありません)

2.等差数列

前回は数列の概念についてやりました。
今後、生きていくうえで、現実の社会の中に
「順序に意味のある数の並び」(=数列)に注意して
生きていくと言うのもいい心がけかもしれません。
そういう注意を配る事によって、新たな発見があるかもしれません。

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前回は、数列について学んだ。
今回は、特別な規則性のある数列を学ぶ。
規則性のある数列として有名なのは、等差数列・等比数列とあるが、
今回は等差数列について学ぶことにしよう。

◆等差数列とは??

前回、数列という言葉を学んだ時、
「数列とは難しいものではない」
と強調した。今回もこの「等差数列」と言う言葉に惑わされないで、
「規則性のある数列なんだ」という軽い認識でいてもらいたい。


例えば、下記のような数列があるとする。

1,2,3,4,5,6,8,9,10,11、・・・・・・

これを、見てどんな規則があるか考えていただきたい。


まぁ、すぐに思うことは、きっと順番に並んでるなという風に思うでしょう。

数列の規則を見るときには一つのポイントがあります。

それは、「1番目と2番目の数の関係」とか「2番目と3番目の数の関係」
とか,いわゆる

「隣同士の関係」

です。


この「隣同士の関係」という観点から、再び下記数列を見てみましょう。

   1,2,3,4,5,6,8,9,10,11、・・・・・・

今度は、どういうことに気付いたでしょうか??
(数列の得意な人は、最初の時点で気付いたでしょうが…)

そう、隣同士の関係は
「すべて、差が1である」(「隣り合う数の差」=1)
ということに気付くだろう。

数式で書くと

a_2-a_1=1 (2番目の数と初めの数の差は1である)

a_3-a_2=1 (3番目の数と2番目の数の差は1である)

a_4-a_3=1 (2番目の数と3番目の数の差は1である)

と表現できる。

【 _(数字)は下付文字です】
(参考)http://www.02.246.ne.jp/~suzuki-t/math/math1.htm


または、同じ事だが
「すべて、前の数字に1を足したものが次の数字になってる」
とも言える。

数式で書くと、

a_2= a_1+1 (2番目の数は1番目の数に1加えた物)

a_3= a_2+1  (3番目の数は2番目の数に1加えた物)

a_4= a_3+1  (4番目の数は3番目の数に1加えた物)


次に別の数列、

2,4,6,8,10,12,14,16、・・・・・・

があるとする。これもどんな規則があるだろうか??


今度も同じように
「隣り合う数の差」=2
と言うことに気付けるでしょう。

特には触れなかったが、上記例のような数列を等差数列と言う。


等差数列とは何か?
まとめると、

「隣り合う数の差」=「一定な数」

ということで特徴付けられる。
これは、重要なポイントであると強調しておく。


等差数列と言う名も、実はよく見るとそのまんまで、

「隣り合う数の差が等しい数列」

それを略して等差数列とよんでる。
それほど、難しいネーミングではないことも納得して
いただけるだろう。


◆等差数列を定めるためには?

等差数列を決定するために、必要なものはなんであろうか??
とりあえず、等差数列の特徴である「隣り合う数の差」は必須だろう。

これだけで、数列は決定できるだろうか??

言い換えれば、
問題:「隣り合う数の差」=3の数列を作れ

という問題に対し、答えは一つに定まるのだろうか??

数列
1,4,7,10,13,16,19、・・・・

も条件を満足するし、数列

8,11,14,17,20,23、・・・・・

も条件を満足する。

そう、何が足りないかといえば「基準となる数」が足りないのだ…

通常、「数列の一番目の数」を基準とする。

それでは、次の問題を考えてみよう。


問題:一番目の数が5であり、さらに「隣り合う数の差」=3の数列を作れ

解答)

最初の項は条件から5である。

次に2番目の項を求める。
「隣り合う数の差」=3 であったので
2番目の数=「1番目の数」+3=5+3=8

さらに、「隣り合う数の差」=3 であったので
3番目の数=「2番目の数」+3=8+3=11

というわけで、以下同様に数列としては

5,8,11,14,17,20,23,26、・・・・・

と数列が決定する。■



★今回のポイント★

等差数列は、
「隣り合う数」の差=一定数
ということで特徴付けられる。

そして、「一番目の数」と「隣り合う数の差」が決定すれば
求める等差数列は、決定する。

● 練習問題●

下記、等差数列

5,12,19,26,33,40,47、・・・・・・

があったとする。

(1) 隣り合う数の差を求めよ。
(2) 「47」の次の数を求めよ。


★ 練習問題が解けない場合は理解が不十分な可能性があります。
★ 今一度、読み直すか、質問をして下さい。

●お便りの中から●
「数学嫌いの根本的な原因について」

中学生のお子さんを持つ方からお便りを頂いた。
それは、
「数学に興味を持ってもらうにはどうすればいいのか??」
という趣旨のメールだった。
はっきりいって、この問題はかなり難しいもんだと思う。

数学嫌いの原因について、よく勘違いされてることがある。
「なんで、数学が嫌いなの??」って質問に対し、
よくある回答は
「何のためにやんなきゃなんないの。将来、生活でなんにも役に立たないじゃん」
って言う回答が、まぁ悲しいことに非常に多い。

そこで、安易に「数学嫌いが多い原因は将来役に立たないから」
と考えてしまう人もいる。

しかし、私は数学嫌いの根本の原因に「将来役に立たないから」
というのがあるとは思わない。
例え、役に立つことが分かっても本質的にはなんも変わらないのではないか
と思ってる。

子供達はプレイステーション等のゲームは好き好んでやる。
子供達は、ゲームをする理由として

「将来役に立つからやってる」

からなのだろうか?
多分、それは違うだろう??

TV(ドラマやバラエティ)、漫画、なんかも全く同じ事がいえるだろう。

何故、数学等の勉強はしたくないのに、ゲームは好んでするのか??
私は、冒頭に述べたこの問題の解決策はここら辺にあるような気がしてる。

面白いゲームとつまらないゲームとの差はなんなのだろう?
(ゲームに飽きる瞬間ってなんなんだろう?)

面白いTVとつまらないTVとの差はなんなのだろう?
(連続ドラマを見なくなるきっかけってなんなんだろう?)

面白い漫画とつまらない漫画との差はなんなのだろう?
(週刊漫画誌を買わなくなるきっかけってなんなのだろう?)

ここら辺になにか数学に興味を持たすという答えがあるような気はしている。
(残念ながら現在、私の中にこれと言った答えは持ち合わせてない…)

ちなみに私のサンプルな意見としては
・最初から難しいゲームよりも最初は簡単な方がいい
・連続ドラマは、途中から見るよりも最初から見たほうが面白い
・ドラマは人物設定を知ってた方が面白い。
等々です。

話は戻って、つまらないゲームやTVは、
「ゲーム見なさい」とか「TV見なさい」とか言う風に
親や先生に強制させられることはない。
だから、「将来役に立たないじゃん」というゲームをしない理由は
必要とならない。

一方、勉強は強制させられる。
なので、
「将来役に立たないじゃん」
という理由で逃げようとする。

数学を勉強しないのは
「将来役に立たない」
からではなく、本当はこんなことどうでもよく、
「分からない→つまらない。」
と感じているからであると言うことだけは強調したい。

そこで、教える立場にある人は「つまらない」と感じさせないように
することが大切で、そのためには

筋道立てて「分かる」ように説明する。

というのが重要だと思っている。
(まぁ、これがとっても難しいことなんですけど…)